コンビネーション【短編集】 (ページ40)

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ふたりきり。番外編【石川・柳田・山本】ページ40

石川side

俺は今、猛烈に落ち込んでいます。

先生「前十字靭帯断裂だね」

石「は、？いや…先生…」

先生「石川くん、君のことはテレビでも新聞でもよく拝見させてもらってる。今の君にこんなことを言うのは酷だけど…今年はコートに立つことはできないよ」

石「い、いや…ちょっと…」

先生「仕方ないの。わかる？コートに立てるなら立ちな？今度は一年じゃ済まなくなるから。あるいは2度とコートに立てないかもよ？」

石「…」

先生「石川くん、君はまだ未来がある。諦めちゃいけないよ？必ず、治してあげるから。とにかく今日から入院。付き添いの方には自分から伝えな？」

先生の言葉は、なかなか理解できなくて
放心状態で診察室を出ると、
そこにはベンチに座ったAちゃんの姿。

「…その顔は、悪い知らせだね」

石「Aちゃん…俺…」

「当ててあげよっか？」

石「へ、？」

「前十字靭帯断裂」

石川「…」

「当たりか。じゃあ…今年はもうコート立つの無理だし、入院して手術して…リハビリだね」

石「なんで…わかったの？」

「あのねー、あたし一応あなた方のサポート入ってんですよ？応急処置もやってるし！一応その辺は勉強してますしね？？」

石「一年できないのは…ちょっとね」

俺は苦し紛れに笑って見せた。
Aちゃんは背伸びをして俺の頭を撫でる。

「大丈夫。祐希は1人じゃないから」

石「え？」

「あーれ」

Aちゃんは俺の後ろを指差して笑う。
俺は指の先が気になって振り向いた。
すると、そこには

石「え、…マサさんと将平さん…」

柳「あんま落ち込んでんじゃねーぞ祐希。チームの一員として貢献できることは山ほどあるだろ」

将「毎日お見舞い来てやるから、そんな気落とすな！お前なら大丈夫だ！」

「あたしも。毎日来るから」

ああ、神様。
この人たちはやはり。
俺にとって必要不可欠な存在です。

入院中ーー。

ガラガラっ。

柳「ういー」

将「おじゃましまーす」

「はろー」

石「あー！Aちゃん！！」

柳「俺らもいんだけど(笑)」

将「アウトオブ眼中？？(笑)」

「調子どー？」

石「リハビリも順調！大丈夫だよ！」

「じゃあー…退院したらお祝いでどっか出かけよっか！」

石「え、！？」

「ふたりきりで(笑)」

俺が放心状態の中、
大好きなお兄ちゃん2人は
ガヤガヤ言ってました。