コンビネーション【短編集】 (ページ35)

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プロポーズ大作戦。【山本】ページ35

山本side

気がつけば、君と過ごしてて
同じ桜を何度も見てきた。
桜を見ながら告白をした時、
君は綺麗な涙を流してたのを覚えてる。

たくさん不安にさせたり、
たくさん心配かけたりもした。

でも、それでも君は
ずっと俺と一緒にいてくれた。

俺は今年の桜が見られる頃、
君に永遠を誓うと決めた。

「しょーへーさん！！起きてー！！」

将「あい…」

「お花見行くんでしょー！！起きてよー！」

将「起きる…起きるから…」

少々起こし方が雑な君。
でも、それすら俺は許してしまう。

お花見会場は毎年満員御礼。
その中でも唯一の穴場がある。
俺と君しか知らない、とっておきの場所。

「おお！今年も貸切だね！」

将「当たり前だろー？ここは俺が永年予約してんだから！」

そんな冗談を言えば、
桜よりも綺麗な微笑みを浮かべる君。

毎年、大きな桜を独り占めできるこの場所は
俺が見つけた穴場。そんな穴場のベンチ。
大きな桜の木が目の前にある。

これ以上の絶景はないだろうと思えるほど
ここの桜の木は大きくて綺麗。

「将平さん、ありがとう。毎年この桜、一緒に見てくれて」

将「こちらこそ。Aとだから、見に来たいって思えるのかな」

「え？」

将「今から話すこと、聞いて？」

「うん…」

俺は深呼吸して、Aと向き合う。

将「俺はバレーが大好きで、そんな俺をずっとキラキラした目で見ててくれるAが好きなんだよね。それ伝わってる？」

「え？あ…うん！もちろん！」

将「俺は、Aにたくさん助けられてるし、支えられてる。だから俺も支えたいし、助けたくてさ。ちゃんと出来てるか分かんないけど、この桜見に来る度にやっぱ思うんだよね。あー、ほんとAで良かったって。ずっと一緒にいたいって思える。

来年も、再来年も…じーちゃんばーちゃんになっても、この桜Aと見たいなって思うんだ。」

「うん…」

将「俺と、結婚しよっか」

「うんっ…！！」

将「よかった！！」

告白した時と同じ、桜に負けない
綺麗な涙を流して大きく頷いてくれた君を
ぎゅっと抱きしめた。

この桜の木に見守られながら
何度も季節を巡れたら、

それだけで。

他に俺は何もいらないだろう。