太宰（妹）家出に成功したので就職しました

就職計画５ ページ7

「職業の斡旋をしてください！」

テーブルに頭をこすりつけて頼み込む。

『本気か？』

男性は驚きで目を見開く。

「はい！！このままホームレスはいやなんです！！社会の塵野郎にはなりたくないんです！」

私は邪神無職之神の眷属にはなりたくない！！

このままだとおねぇソムリエに乗っ取られる！！(パニック)


男性は考えるように目を閉じた。

嗚呼、この時間が物凄く嫌だ、心臓が過呼吸起こしそう。


「・・・・ゴクン」

『・・・・・・・・・・』

じゅごごごごご

名探偵がジュースを飲む音しか聞こえなくなる。

しかももう飲み終わる間際だ。

救世主がいるならきてくれ！頼む！！


ジュースを飲む音が聞こえなくなった。

場の緊張感が濃くなる。



「ねぇーいつまで考えてるの？社長？」

にゃー

名探偵の気の抜けた声が響いた。

男性の膝から猫を取り上げて、遊びながら言葉を続ける。

「いいんじゃない？その子を採用にしちゃっても」

ふぇ？名探偵さん、あなたは私の救世主だったんですか？

男性が目を開く。

『根拠があるのか？」

「んーまぁやる気はあるようだし、僕には遠く及ばないけど
少しは考える能があるらしい、それに」

ん？私褒められてるの？

『それに？』

「この子異能力者だから足を引っ張るような真似はしないと思うよ」

『！』

「あ、あれ？異能のこと話してないですよね？」

すると名探偵は得意げに笑う。

「ふふん、それは僕が名探偵だからさ！！」

納得

『ふむ、乱歩が其処まで云うなら有能な少女なのだろう、いいだろう
社に着いて来るがいい』

「乱歩？」

「ああ、そう云えば自己紹介がまだだったね！僕の名前は江戸川乱歩！
世界一の名探偵さ！！」

「よろしくお願いします！乱歩さん！！ええと・・」

男性の方に目を向ける。

『福沢だ、してお前の名は？』









「Aです！よろしくお願いします！！福沢さん！！」









此れから入る会社「武装探偵社」でこれより始まる怪奇譚・・・・

が始まるのは６年後・・・・・。

そして、彼女の兄に再会するのも６年後・・・・。



今の彼女は期待と安堵で胸を膨らますだけで充分である。

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