太宰（妹）家出に成功したので就職しました (ページ38)

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番外編　栗禁断症状ー国木田篇ー☆ ページ38

中毒者の扱いは仕事でも大変苦労した、が、

それが自分の上司となるとまた話は別になってくる。

しかもAさんは俺の天敵でもある方だ。

今のAさんはいつものAさんとはまた違った厄介さがあり、さらに危険度も倍以上に跳ね上がっていた。

という現実逃避をするくらいには俺は参っていた。

『国木田くーん？余所見しちゃダメだよ？』

と云い俺の首筋をなぞる。

「どっうお！！」

『うふふ、可愛い悲鳴じゃあないか、もっと見せておくれ？』

Aさんは楽しむように笑った。

「！？」ｿﾞﾜｧ

俺はこれ以上は流石に色々と危険と判断し日頃の己の持つ武術の全てを使いAさんの腕から脱出し探偵社の出口へ向かった。

『ダメだよ、逃げちゃ♥』

Aさんは俺を上回る速さで出口へと回り込み退路を塞ぐ。

俺はすんでのところで方向転換、社の奥へと逃げ込む。

しかし、すぐに追い付かれAさんの蹴りをくらう。

俺は進行方向に吹っ飛ばされた。

俺は冷蔵庫にぶつかる。

その衝撃で冷蔵庫が開いて物が数個落ちてくる。

そして、Aさんは即座に馬乗りにして俺の身動きを封じた。

『うふふふふふふ』

上から女の不気味な笑い声が聞こる。

(流石はAさん・・・体術においても俺より上か・・・！)

上に乗るAさんは隙がない。

(これまでか・・・・)

と思い横を向くと乱歩さんが冷蔵庫に入れていた四角い何かが目に入った。

(あ、あれはAさんの好きな栗羊羮！？何故・・・！？)

──困ったときに使えばいいよ

(乱歩さんはこのことを予知して・・・・！有り難うございます、乱歩さん！)

そして、俺は無理矢理身体を起こし素早く羊羹の包みを破った。

『！？』

驚くAさんの口に栗羊羮を思いっきり突っ込んだ。

『ふがっ！』

そして、その栗羊羮はするりとAさんの口の中へ消えた。

そして、Aさんは倒れた。

倒したのだ、俺は恐るべき敵を倒したのだ・・・

俺は勝利の余韻に浸っていると

『・・・何やってんだんだい？あんたら』

と与謝野医師の声が聞こえた。

後々乱歩さんから話を聞くと、今回のAさんの行動は栗の食べられなかったことによる禁断症状と推理された。

近くにいる人間を口説こうとする症状らしい。

この事件がきっかけで社の冷蔵庫には必ず栗羊羮一本が常備されることになった。

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リクエスト有り難うございます！

本編が全然進まない( ＴДＴ)