太宰（妹）家出に成功したので就職しました

国木田出会う！３ ページ22

少女のちょっかいが少し収まり、漸く仕事が進んできた。

うむ、進むことはよいことだ。



暫くして俺はあることの気付いた。


先程書き終えた筈の書類が無い、代わりに新しい書類が置かれていた。

書類の上には付箋紙が貼られていた。

【この書類の情報を今日中にまとめておいてね☆d(`･∀･)b】

文面はふざけているが書類自体は確かに本物であった。


((しかし、一体誰が・・・))

ここのスペースには俺と小娘しかいない。

一応事務員もいるが俺のデスクには来ていない。

来たのはあの小娘しかいないが、探偵社の書類を把握している筈が無い。

俺は隣のデスクで遊んでいる筈の小娘を見た。


其処には遊びと真逆のことをしている少女がいた。

先程の緩んだ表情など欠片もない程真剣に書類を読んでいる


俺は何故少女が書類を読んでいるのかなど気にならないぐらい

呆然とした。


すると探偵社の入口が開く音がした

振り返ると其処には社長に乱歩さん、与謝野医師がいた

俺は礼をする


社長は頷き、少女の方を向く。

俺は焦った、この少女のことをどう説明するべきか


「Aー！おはよー！」

俺が何かを云う前に乱歩さんが言葉を遮った。

すると少女に抱きついた。


((え？ええええええぇぇぇぇ！！！))


「Aーお早うの栗饅頭」

「どうぞ、お早うの栗饅頭です」


驚く俺を尻目に謎のやりとりをする二人


『こないだ話しただろ、まだあんたが会ってない先輩の話』

与謝野医師が云う

「し、しかし、彼女は自分を迷子だと・・・」


『迷子ぉ？Aーあんた国木田に話してなかったのかい？』

『うん、迷子と勘違いする国木田君が面白くて
だからそのままにしてみた』

ニッコリ笑う少女

『はぁ相変わらずだねぇ』

呆れたように云う与謝野医師


燃え尽きそうな俺に少女が近付いて来る。


『私の名前はA！これから宜しく頼んだよ！国木田君！！』









俺は今日一日ショックで寝込んだ。

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