太宰（妹）家出に成功したので就職しました (ページ21)

今日:27 hit、昨日:2 hit、合計:491,745 hit

国木田出会う！２ページ21

『ねぇー眼鏡っ子、お菓子頂戴』

少女が菓子をせがんだ

「煩い、仕事中だ」

今はただでさえ、先程の会話で三分も予定を遅らせているのだ。

これ以上遅らせる訳にはいかない。

だが迷子の娘を追い出すわけにもいかない。

十五以上の娘が迷子になるか、普通！

『ねぇー眼鏡っ子何してんの？』

「書類を書いている、それと俺は眼鏡っ子ではない国木田独歩だ！」

『へー国木田君と独歩っぽどっちで呼んで欲しい？』

俺は顔をしかめた

「迷うことなく前者だな」

何だ、独歩っぽって！

『独歩っぽ』

「貴様ぁ！！前者の方だと云っただろうが！！」

『あえて逆のサプラーイ！』ヽ( ﾟ∀ﾟ)ﾉ

「要らん！何がサプラーイだ！阿呆！！」( :ﾟ皿ﾟ)

・
・
・
・

何で俺はこんな少女に翻弄されているのだろうか。

何だか胃もキリキリしてきた。

「はぁ」

思わず溜め息が出た。

『溜め息をつくと幸せが逃げるよ、国木田君』

「主に貴様のせいだ、不幸の元凶」

すると少女は

『其は悪かったね、国木田君・・・・・』

そう云って少しシュンとした。

俺は少し驚いた。

こんな短時間で悪魔と悪霊と貧乏神が合体したような奴と認識させるような少女にも

反省の心があったのかと思った。

「反省するならいい」

『ああ、とても反省しているよ』

少女は妙にいい笑顔で云った。

『お詫びに何か面白そうな手帳を朗読して新是よう！！』

少女の手にはどこか見慣れた手帳が握られていた。

「・・・・・！貴様！其は俺の手帳ではないか！！」

少女はそんな俺の言葉を無視し手帳をパラパラ読み始める。

「おい！勝手に読むな！！」

すると少女はあるページで手を止めた。

『国木田君・・・・・この理想の女性像のページ』

「其れが何だ！」

『これ絶対他の人に見せない方がいいと思うよ、特に女性に・・・』

少女は少々引きぎみに云った。

「・・・・・・・・・・」

そんな目で見るな・・・・・・・・・・・・・・

────────

３話分が一瞬で消えた。