《告白現場》 ページ6
「炭治郎遅くね?」
ってことでちょっと探してくる。
善逸が休み時間終わりギリギリに炭治郎を探しに出る。伊之助はそろそろ戻ってくるのではと思い教室に残ることにした。
「(炭治郎が時間忘れることはないだろうしなー」
ピアスを除けば優等生な炭治郎が遅刻なんてしないだろう。先生にギリギリの頼まれ事を受け付けない限り、彼は席についている。
「!あれ、三日月ちゃ…」
「ッ!?シッ!!!!!」
今は授業で使われていないのだろう。音楽室の前にいる、否音楽室を"覗いている"三日月に善逸は近寄った。彼女の視線の先に居たのは同級生であろう女の子。だがこんな時間に一人で音楽室なんて、よっぽど音楽が好きでないと入らない。と、なると…
「ずっと前から好きでした!彼女がいるのは分かってるんだけど、伝えたくて、っ……私は!
あなたが好きです!竈門君の……隣に、いたい、ですっ」
告白。
女の子にデレデレしていたが一瞬で真顔になる善逸。しかも相手は友人の炭治郎で、自分と一緒に音楽室を覗くこの子は現在告白されているモテ男の彼女。彼女持ちに告白するのも相当な勇気がいる。知らない子だけど頑張ったね、偉いねと善逸は同情。
「……ごめん。俺は三日月を裏切る訳にはいかないんだ。気持ちはとても嬉しかったよ!ありがとう!」
「でも、駄目なんですよね……」
「君が嫌いなわけじゃない。
ただ、俺のそばにいてほしいのは三日月なんだ。そう思える人に誤解させたくないし、悲しませたくない。」
「ッごめんなさい、ありがとう、竈門くん…」
女の子は口元に手を当てながら炭治郎に背を向け、扉へ向かう。それに気づいた三日月と善逸は慌てて曲がり角へ走り、幸い気づかれることはなかったが女の子はこの場を一刻も早く離れようと立ち去ってしまった。
と、炭治郎がニコニコでひょっこりと顔を出す。
「二人とも、盗み聞きは感心しないな」
「ゲッ…バレてたの?
ごめんって!だって授業始まるのに炭治郎が居なくてさ!もし保健室だったら心配だったし…」
「………気をつける」
やけに大人しい三日月に炭治郎が頭を撫でた。ショックを受けているのか、それとも告白された彼に嫉妬をしているのか。それは、
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作者名:イチゴじゃむ | 作成日時:2021年3月31日 4時