”まだ”あげない ページ9
「おいお前ら。こいつがもめごと嫌いって知ったんなら極力抑えろよ。おいジェームズ。」
「なんだい?シリウス。」
ジェームズが振り返る。
「次こういうことするんならこいつ貰ってくかんな。」
『ふえっ//?』
(シリウスくんに…もらわ……え…?)
アカネの顔が見る見るうちに赤くなっていく。
アカネは自分の顔が熱を持っていくのを感じた。
「何ふざけたこと言ってるんだいシリウス!アカネは僕の妹だ!君にはまだあげないよ!」
『ま、まだって…?』
「まだ」という言葉に突っかかるが今はそれどころじゃない。
今、アカネはシリウスに肩を抱かれている。
シリウスの甘い匂いがするのをアカネは感じた。
ドキドキと鼓動が高鳴っていく。
「さ、お前ら、もうもめごとしねぇよな?」
「しないとも!だから早くアカネから離れてよシリウス。」
ジェームズは少し拗ねたようにシリウスに言う。
片時もアカネと離れたくないようだ。
「はいはい。」
ひょいっ
「アカネ、もうこのコンパートメントは出よう。戻ろうか。」
『あ、う、うん。リリー、セブルスくんまたね!』
アカネはジェームズに引っ張られながらリリーとセブルスのいるコンパートメントを出ていった。
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作者名:ららくらっしゅ x他1人 | 作成日時:2021年3月23日 22時