44輪目 ページ47
どうやら、話を聞いていると赤司くんは黒子くんに"6人目"としての活躍を期待しているらしい。黒子くんの影の薄さを武器にした…全く新しいプレーヤーとしての。
「亜麻野、緑間。聞いていたのか。」
すると、彼が出てきた。
「気になっちゃって。」
「お前が一目置いた奴がどんなものが気になったのだよ。…だがやはり俺には信じられん。本気で奴が化けると思っているのか?」
「…さぁね。可能性は感じたが、会ったばかりの他人だ。友人などではないし、あれこれ世話を焼く義理はないね。オレは糸を垂らしただけだよ。それを登って来られるかは彼次第さ。」
赤司くんはどこか冷たくそう言い放った。いつもの彼とは違うような気がして、背筋が寒くなる。
「…そっか。じゃあ、友達の私は黒子くんに協力してくるねって、…何するの、真ちゃん。」
黒子くんの元に行こうとすると、真ちゃんに首根っこを引っ張られてしまう。
「さっさと帰る準備をしてこい。下校するぞ。」
「え、今のタイミングで?」「早くしろ。」
有無を言わせない真ちゃんに渋々返事をする。
「は〜い。あ、赤司くん、また明日。」
「あぁ、亜麻野、また明日。」そう微笑んで彼は去っていった。
良かった、いつもの彼だ。少しほっとした。
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作者名:みぃ太郎 | 作成日時:2023年6月22日 13時