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20輪目 ページ22

「おはようございます、亜麻野さん。」
「あれ、黒子くん?」
彼の声がする方を見るも誰も居ない。

「ここです。」すると目の前に座っていた彼を見つける。
「わぁっ!ごめんね、まだ慣れなくて。」
「大丈夫ですよ。」
未だに黒子くんの影の薄さには慣れない。

その後も、バスケの話や本の話をして時間は過ぎていった。




「くっ、投了なのだよ…。」
悔しそうに将棋盤から手を離す真ちゃんに、
「なかなかに楽しかったよ。」と微笑む赤司くん。

最近、昼休みに2人は将棋を指すことが多い。とはいっても、いつも赤司くんが勝っている気がするけど。

「亜麻野もやらないか?」
「ルールが分からないし遠慮しておくね。」
ぼんやりと眺めていると、赤司くんには誘われるが将棋のルールは分からない。

「そうか。だが、まだ時間があるな。」
時計を見てそう話す彼。何かないかな…と考えていると、ある提案が頭をよぎった。

「あっ、ならトランプしない?これなら3人でもできるし。」
「わざわざ持ってきたのかい?」
「真ちゃんの今日のラッキーアイテムだからね。」
彼の言葉に、真ちゃんを指さして答える。

「俺のラッキーアイテムは娯楽用ではないのだよ。」
赤司くんに負けたせいか少し不機嫌な真ちゃん。しかし、負けず嫌いの彼のことだ。きっと乗ってくるだろう。

「トランプは十分娯楽用だよ…。もし真ちゃんが勝ったら、おしるこ、奢るよ。」
「ふん。ならやってやるのだよ。」

予想通り乗ってきた彼を交えて、ババ抜きをすることになった。




「負けたぁ…。」
結果は私の負け。赤司くんは一抜けしちゃうし、ラッキーアイテムで補正済みの真ちゃんにババを引かせられてしまった。

「たまにはトランプをするのも良いね。」
赤司くんはどこか楽しそうだ。

「そうだな。…ミケ。」
勝ち誇った笑みを浮かべる真ちゃん。

ぐぬぬ、すっごく悔しい!

「分かってるよ、おしるこでしょ。"あったか〜い"と"つめた〜い"、どっち?」
「"あったか〜い"なのだよ。」

もう7月なのに…と若干呆れながら了承する。

「赤司くんは?」
「オレもいいのかい?」少し驚いた様に話す彼。

「1番だもん。何にする?」
「なら、亜麻野のお薦めで。」彼はそう言って微笑む。

「分かった。じゃあ、買ってくるね。」返事をして、自販機に向かった。

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作者名:みぃ太郎 | 作成日時:2023年6月22日 13時

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