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「あー、その、うん。ありがとう…？」
「茂庭さん、照れてやんのー。」
「こ、こら二口、先輩を煽るな！」
バレー部であろう同じジャージ姿の人がわらわらと私を囲んでいく。
まるで珍しい生き物を観察されているようだ。
微かに女子だ、女子のファンだ、と聞こえるのは気のせいだろうか。
「おい、お前ら帰りのバスもう来てんだぞー。」
まさに鶴の一声。
壁に囲まれて声の主は分からないが、おそらく先生とかだと思う。
一枚、また一枚と私を囲う壁は無くなっていく。
「誰か知んねーけど、さんきゅ。」
すでに進み始めた列の後ろでヒラリと気だるげに手を振られる。
伊達工…。
素人目でも分かるくらいカッコよかったなあ。
その後、
おにぎりを二口で食べる女子は存在するか否かの話題が彼らに広まるのであった。
＿＿＿＿＿＿＿＿
家に着き、リビングのソファーに身体を預ける。
少し微睡みながら携帯を開け、今日の感想を二人に送信した。
日向くんは普段どうり元気いっぱいで興奮冷めやらず、といった感情がひしひしと伝わるメール文が返ってくる。
なんて微笑ましい。
対して影山くんは、またおう。とか分かった。辺りだろうと予測した私だったが、今回はハズレみたいだ。
《明日も来るのか。》
画面をスクロールすると新着のメッセージが表示される。
…これは一体。
来るのか？…(舌打ち) ってことなのか。
質問の意図が読めず、軽く脳が混乱する。
バレーのルールやしきたりを知らない私にとって彼の問いかけは尋問をされる容疑者のよう。
《時間あるし、そのつもりだよ。行かないほうがいい？》
《違う。聞いただけだ。》
メールはすぐに返ってきた。
なーんだ、安心安心。
今までの経験上、彼とこんな他愛もない会話をするなんて思いもよらなかった。
知り合って早数ヶ月たつが、このほんの些細な変化にこうも舞い上がってしまうのは私もまだバレーの興奮から抜けきっていないからだろう。
《もーびっくりした！明日は遅刻しないようにするね！》
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《今日は遅刻してたのか？》
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いもり - すごい面白いです...！今すごーく良い感じの距離感なのでこれからどう縮まるのか気になります...!(*´д`*)ﾄﾞｷﾄﾞｷ更新頑張ってください！ (4月1日 17時) (
レス) @page22 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ととととトマト | 作成日時：2024年3月29日 2時
