いやいや、ただのバレー馬鹿。【影山飛雄】 (ページ13)

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ベットに寝転び、携帯を自分の顔の上に掲げる。

健康児の私には瞼が重くなる時間だ。

スッゲー緊張する！！！！と賑やかな日向くんらしいとメッセージに自然と笑みが出る。

私なりの緊張の緩和法などを教えたりして、影山くん同様日向くんにも"楽しみにしてるね"と返事を送る。

私は平気だが、大会出場者にこれ以上会話を無闇に続けるのも気が引けて足早に会話を終幕に持っていく。

自分なりに応援のメッセージを彼らに伝えるのは存外難しい事柄であった。

がんばれ、は言われなくても彼らは頑張るのは大前提だろう。

期待してる、は誰目線？お前は監督か？って話になる。

無理しないで？…うーん、普段の120%の彼らにはいっても無駄だ。

こんな簡単な事で何を悩んでいるA。

彼らに似合う言葉がこうも出てこないとは。

それは彼らをそばで見てきたからこそ、ありきたりな言葉が言えないのだと自惚れているからだろうか。

私のポキャブラリーは所詮こんなものだ。

結果として、楽しみにしてる、などとふざけた連絡を送る私は何て無力。

どうか深読みせずに受け取ってくれますよーに。

…いやいや、二人の性格を考えろ。

一人は、圧倒的光属性。

一人はバレー以外(ちょっと)ポンコツくん。

よし。大丈夫だ。

私は目覚まし時計をセットをして、ベットの布団に潜り込む。

時計の針の音が聞こえなくなるには、そう時間はかからなかった。

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