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鎖が14本 ページ14

不味い。あの後太宰サンに付き合わされ、訓練時間ギリギリになってしまった。このままでは遅れてしまう。
と云う訳で私は今、廊下を走っている。運動が苦手な私には少し辛い……。

「……っはあ、遅れました……済みませんっ………」

思い切り扉を開けると中原さんの姿が見えて、私は息も整えず謝った。

「おうAか。どうせ太宰だろ? 災難だったな。まあ一寸落ち着け」
「は、はい……済みません……」

ゆっくりと息を吐いて、呼吸を整える。
中原さんが理解ある人で助かった。心臓の音が段々と緩やかになっていった。

「おし、じゃあまず一回やってみるか」
「やってみる……とは、何を?」
「あ? 決まってんだろ、組み打ちだよ」
「組み打ち……?」
「あー、空手の組み手みたいなもんだ。実践っつーことだな」
「い、いきなりですか……?」
「おう、戦闘スタイルなんて自分で確立してくもんだぜ」
「……」

それはそうだろうが、まず基礎体力からダメダメの私がいきなり中原さんとなんて、無茶振りにも程がある。

「中原さん、私、そもそも運動と云うものを余りしたことがなくて……」
「あー、そういえば手前お嬢様だったな。体力作りからやるかー……」
「済みません……」

中原さんはがっかり、と云わんばかりの顔をして、適当なトレーニングメニューをさせた。
中原さん曰く此れは基礎中の基礎で、こんなモンにへばっててはマフィアでは生きていけない、との事。
正直マフィアで生きていける自信がない。

私は中原さんに案内して貰ったマンションで早く休むことにした。

「此処か……マンション暮らしなんて初めて……」

少しの緊張を胸に、鍵を開けた。その瞬間、

「お帰りAちゃん! お疲れ様ー!」

脊髄反射と思われる速さで扉を閉めた。

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れい - 続き、楽しみにしています(*´∇`*)/ (2017年8月3日 12時) (レス) id: ea54add459 (このIDを非表示/違反報告)
徒長(プロフ) - れいさん» ありがとうございます! (2017年8月3日 11時) (レス) id: f4aa93743b (このIDを非表示/違反報告)
れい - 読み方はボスですよ。 (2017年8月3日 11時) (レス) id: ea54add459 (このIDを非表示/違反報告)
徒長(プロフ) - ありがとうございます。読み方はしゅりょう、ですか?ぼすですか? (2017年8月3日 11時) (レス) id: f4aa93743b (このIDを非表示/違反報告)
れい - 黒の時代での森さんへの呼び方は首領、探偵社入社後は森さんですよ。 (2017年8月3日 10時) (レス) id: ea54add459 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:徒長 | 作成日時:2017年8月1日 12時

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