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思考が曖昧になる。ゆるりと拳銃を持った手を上げる。



黒髪の人の心臓を狙う。



「おい、A…」

震える声で私の名前を呼ぶその人。



「いいよ、そのまま撃って。」

私の背後に立ち、耳元で囁く茜。その言葉に素直に従う。



「やめろ!!!A!!!!」

黒髪の人に鎖を解いてもらった金髪の人が叫ぶ。

「近寄るなよ…A、早く撃って。」



『うん…』



「A…銃を下ろせ。」



「A!!しっかりしろ!!!A!!!」



「ほら、早く撃てよ!!!A…Aお姉ちゃん!!!」



頭では分かっているのに、体が上手く動かない。






あれ…私は何をしている?





ちか、とフラッシュのように視界が瞬く。





私はぐるんと体を捻り、発砲する。





パン!





「うああぁぁぁ!!!!」

『っ…!!』



叫び声。私はきちんと構えていなかったのか、発砲の反動で飛ばされる。飛ばされた先で私を受け止めてくれる人。



「…A…」



『…零。』



零の肩からは血がどくどくと溢れている。

「っなんで…!?おい、A!!!Aお姉ちゃん!!!」

倒れこんだ人が私の名前を何度も呼ぶ。彼は玲さんに押さえつけられる。

ずきんずきんと頭が痛む。

『っ何…貴方は誰…!?』



私は頭を押さえる。痛みは名前を呼ばれる度に酷くなる。



「…どうして…?さっき思い出してくれたじゃん…」

その人は目に涙を浮かべる。

その顔を何度も見たことがあるような気がする。

けれど靄がかかったようにはっきりしない。



『貴方は…一体…!!』



頭が割れそうだ。痛みで意識が薄れていく。



「A、大丈夫だ。」



ふわりと抱き締められる。視界はスーツに覆われて暗くなる。

『零…』

「大丈夫だ。」

より強く抱き締めてくれる零。

その厚い胸で私の目を塞ぎ、たくましい腕で耳を塞ぐ。

『れい…』

私は怯えるように零の背中に手を回して縋る。



「A…ねぇ、A…」

遠くから聞こえる声。ついさっきまでその声の主を分かっていたような気がする。





「A…ぼくをたすけてよ…」










「A、もう大丈夫だよ。」

ゆるりと零の腕から解放される。声がした方を見る。

『玲さん。』



「…さっきの少年について知っていることを教えてくれる?」

玲さんは私に近づいてきて頬にそっと触れる。





『…少年?何の話ですか?』





「「え…」」

『それより零!早く手当てしないと…!』

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- 久しぶりに来たら続きが更新されててうれしい🎵⤴️ (8月22日 15時) (レス) @page50 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
微睡(プロフ) - 泉さん» ありがとうございます!ゆるりと更新していくので読んでやってください! (8月5日 10時) (レス) id: abcbb5d66a (このIDを非表示/違反報告)
- 1ページの文字数が少なくて読みやすいです! 更新頑張って下さい! (8月4日 7時) (レス) @page6 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:微睡 | 作成日時:2023年7月31日 18時

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