前 髪 パ ッ ツ ン 系 女 子

前髪 ページ13

「……よっす」
「おぉ」


校門で待ち合わせて、早10分。
花は息を切らせながら、私の元へ来た。
そんなところ、大好きだなぁ。


「…んじゃあ、」
「帰りますか」


そう言って、どちらともなく歩き出す。
私の手には、暖かい花の手が繋がれている。
花の手は大きくて、ゴツゴツしていて……まさに、男の人の手って言うのが良く分かる。


「……あのさ、及川の約束…よかったの？」
「別に、大丈夫だろ」


でもやっぱり、気になって仕方が無かった。
だから、


「じゃあ今度さ、及川達も誘ってカラオケに行こうよ！…皆んなで行ったら、楽しいよ？きっと」


花は一瞬だけ考え込んだけど、そうだな と言って私の手をより一層 強く握った。
話が途切れた。
だから私は、ずっと花に聞けなかった事を口にした。


「花は、前髪パッツン…好きなの？」


一瞬 驚いた表情をした花だったけど、ぶはっ と言って笑い始める。
なに って、私があからさまに不機嫌に聞くと、花は私の頭を撫でながら


「お前が好きだわ」


そう言って、 ちゅっ とリップ音が続いた。








結局は、前髪とかどうでもよかったのかもしれない。
けれど、前髪をパッツンにした事によって、私は変われたよ。


あの時、君が言った一言に感謝しています＿*







°・..*END*..・°

タンパク質取りすぎ注意報→←前髪 No side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す