「奇跡の歌声は知っている」

22、ストーカー事件の犯人 ページ23

「よーし、昨日の報告な。俺らから話す。」





私たちは、塾の授業が終わり、秀明のカフェテリアに集まっていた。




小塚君を覗く全員がね。





「諸君、喜べ。ストーカーの犯人を突き止めることができた。」




やった!!またまた一気に近づいた。




ワクワクして鼓動が早くなる。





「そいつの名は、多田新、だ。」




多田新、ね。



欠かさずノートに書く。




「平田を一人で散歩させて、俺らが後ろつけたんだ。」





おー、なるほど





「そしたら、くそ汚いジジィがナイフもって追いかけてるんだ。写真撮ったけど。」





ゲゲゲッ、皆もゲゲっという顔をする。




てかくそ汚いジジィって…()




「これが多田だ。」




若武はスマホのフォトの画面を開くと、中年の男性が表示される。




「それで散歩させて30分後くらい?に、そいつ方向転換したんだ。」




さすがにそんな長い時間ストーカーできないもんね。




怪しがられるから。




「だから、俺らもジジィ追っかけてさ、そしたら多田って書かれた一軒家に入ってったんだ。」





なるほど〜。私は素早くメモをとる。





「それで、黒木のコネ使って、その家とか調べたら、多田新って名前が挙がってきてさ




顔写真見せたらそいつで間違いないって。」





じゃあ、絶対なんだね。





「多田の務めてるとこは淀原石鹸工場っていう石鹸を作る工場で、




評判は普通らしい。犯罪歴も特にない、ごく普通の社員だった。




ただ、最近休みが多いらしい。」






それ、怪しい！きっとストーカー事件が関係してるんだ…





「俺たちからは以上。次、美門たちから、どうぞ。」





若武は満足げに頷くと、発言権を翼に移した。





「えっと、俺らがやったのは近くの住民の聞き込みだよ。





一人ずつ発表って感じでいくね。」




オッケ。




私は特に何も得られなかったけど、一応目撃情報だけ言っておこう。






「俺からいくね。面白い情報が聞けたんだ。」





え、ほんと!?

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