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『早く許可を出してください。あと五秒のうちに。』
「うぐッ………！」
五からカウントダウンを始め、四、三、二、一…と時を刻み、遂にはゼロになった。それでも依然としてQタロウさんは許可を出さない。
でもきっと大丈夫。あと少し揺さぶればそこを変わるだろう。だってあれをみんなに知られたら、この先の信頼が得難くなるのだから。
生きていても、やりづらい事は確実。
ごめんなさい、Qタロウさん。
脅しのような手を使って。
この後もしも生きてたら謝るので、今は許してください。
『はぁ、仕方がないですね。実は昨日、Qタロウさんが……』
「ま、待て………！」
かわる。
苦し紛れに掠れた声で、Qタロウさんがそう言った。
これで言質は取った。
少しだけ自分の口角が上がったのが分かる。
行こう、あの二人の元へ。
四人がいる場所から離れるために、足を前に一歩踏み出す。
「待て…待つんだ、Aちゃん。」
『それは出来ません。』
後ろを振り返れば、向こう側でケイジさんが私を見ていた。
言いたいことは分かっている。
それに短く返答し、再び前を向いて的の方へ足を向ける。
「Aさん。キミがQタロウさんと変わって、毒を受けても………」
『“すぐに死ぬ？”…………Qタロウさんじゃ、ボタンには触れない。』
ケイジさんを無視して前に進むと、次にソウさんに声をかけられた。前を見たままそれを遮り、前へ進んだ。
彼は遮られた以上、何も言おうとしなかった。
ただ向こう側からの視線だけが私に突き刺さる。
「でも……！」
『ギンくんよりは、長く生きますよ。それにもう時間がない。多分発射されるまでの残り時間は、あと……………ふふ、時間感覚には結構自信があるんですよ、私。』
アリスさんの言葉にも、背を向けながら歩いて答えた。数歩歩いて的下の近くまで移動する。
それから制服のポケットから手紙を取り出し、床に置いた。箱からマッチを取り出す。マッチに火をつけるために腕を引くと、消え入りそうな少女の声が耳に届いた。
いかないで、と。
その言葉を聞いて、私の手が反射的に止まった。
『…………ごめんね、カンナちゃん。あの二人が好きだから、それは出来ないよ。』
カンナちゃんの方を見ることもなく、私の口から言葉が出た。横から彼女の嗚咽が聞こえる。
けれど彼女だって分かっているはず。誰かが必ず毒針を受けなければならないことを。
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でででででん(プロフ) - 匿名さん» ありがとうございます！なんとか5月中に2章完結目指して頑張ります。笑 (2020年5月20日 23時) (
レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 何度もコメントすみません…今日更新多くて嬉しいです…！(( お体にはお気をつけて！これからも楽しみにしています！ (2020年5月20日 22時) (レス) id: cc998c0500 (このIDを非表示/違反報告)
でででででん(プロフ) - しきさん» え？そう言ってくれて嬉しい… (2020年5月16日 7時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
しき(プロフ) - え?表紙好き… (2020年5月16日 1時) (レス) id: 0c957ac632 (このIDを非表示/違反報告)
でででででん(プロフ) - 匿名さん» ありがとうございます…！ (2020年5月14日 21時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：でででででん | 作成日時：2020年4月28日 9時
