生存率12.5% しかし生きて帰れば 0.0% ２ 【キミガシネ】

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『ほら！ウダウダしてないでさっさと交換してください！！』

「う、うぅ……」





全く…さっき自分から私に、交換しに行くと強気に言ってた癖に。

目の前にいる背中を見て溜め息が出そうになる。この人は、景品交換所に来てからずっとこうだ。









ギンくんからメダルを三十枚受け取る代わりに、クリアチップを二個渡すことに成功した後。お互いにお腹が空いていたので、ロビーで昼食をとっていた。


それが食べ終わって、二人で次は何をしようかなんて話していたら、アリスさんに声を掛けられた。



そう、そこで強気に交換するから付いて来いと言われて……私は来たのだ。





『……交換する気になったら教えてください。私、それまでにアトラクションをクリアしてくるので。』

「ま、待って！！」




私がモニタールームに戻ろうとすると、マフラーを引っ張られた。


引き留めたいからって、いくらなんでもマフラーは危なくないか？

と、ジト目になって抗議の意を込めてアリスさんを見ると、彼は咳払いをした。





「…ここに二十枚ある。こ、交換してくれ…！」

「かしこまりました。……こちらがレコ様の宝物です。確かに受け渡しました。」





そう言って、受付の男が差し出してきたのは……





「これは…！！オレがレコに渡したボンゴだ…！！」





あまり音楽には詳しくないけれど、アリスさんが言うにはコレがボンゴらしい。

渡したボンゴが妹の宝物だったら嬉しいんじゃないかと思ったが、アリスさんからはあまりそういったモノを感じられなかった。


感じられたものは、疑問と驚き。

でもその後に、かすかに喜を感じる。





「ありえない…あいつの…レコの宝物が…オレが渡した、こんなくだらないプレゼントだって言うのか…？」





そのプレゼントのどこが、くだらないなんて思うんだろう。

私ならお兄ちゃんや妹から貰ったプレゼントは何でも………



……プレゼント。


私の、ここで交換できる宝物って。

アレなのかな。





「これを渡されるまで、にわかに信じられなかった……直接お前が聞いたとはいっても、聞き間違いとか、そういうものなんじゃないかって。」

『酷いですね、私は聞き間違えなんてしませんよ。………でも、良かったですね。宝物として出てきたモノがボンゴなら、きっとまだ仲直りできるチャンスはありますよ。』





私達はできなかったから。


仲直り、この人達は出来ると良いな。

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