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204話 ページ5

...高尾side...


「だから……」

キドちゃんが言葉を完全に言いきる前に、俺は先読みをして言った


「頭脳派の俺らに、これから数日ここのアジトにいてほしい、ってこと?」

「……あ、ああ……。けど、お前らはバスケで忙しかったりするだろう? 誰が毎日いられるのか聞きたいんだ」

あはは!

おれはキドちゃんのその言葉で笑いだした

わーあ、皆の視線が冷たいよ

確かに、この雰囲気には似合わない行動だけどね

俺は笑いを一旦やめて、真剣な目つきになった

そして、言いはなつ


「大事な友達に命の危機だぜ? 確かにバスケはすっげー大事だけど、俺はワカバちゃんの命をそんなに軽く見てねえよ」

「……っ! あ、りが……とう……」


普段はカノみたいにおちゃらけている俺がそんなことを言うのなんか思っていなかったのか、意外そうな顔をされた

心外だぜ?

キドちゃんよ


そして意外そうな顔の後に、いつものキドちゃんらしからぬ可愛い頬笑みを浮かべた

「だよなあ? 真ちゃん」

「ああ。こんな時に、練習など出来るわけがないだろう」

「さっすが!」


俺が真ちゃんにウィンクすると、真ちゃんが珍しく微笑んでくれた

何、これ

今日はツンデレが素直になる日なのか?

……っと、そうじゃねえや


「練習、行かなきゃなんねーって奴、いる? いたらいーぜ、休んでも。バスケだって大事だしな」

沈黙はしなかった

全員、そんなわけないだろと笑いを浮かべる


「そんな罰当たりなこと出来るわけないじゃないですか」

「先輩も監督も、別にあいつの命と比べりゃ怖くねーよ」

「大ちゃんはいっつもサボってるしねー?」

「っせーよ、アホ」

「絶対絶対、ワカバっちは助けだすんス! そのためなら練習サボることだっていとわないッスよ!」

「まあ、俺はそうそう帰れるもんじゃねえし……元々一週間こっち滞在しようと思ってた所だしー」


笑う皆に、俺もにいっと笑い返した



「ほら、キドちゃん! 頭脳派じゃない奴らだって、毎日押しかけてくる気満々だぜ?」


後ろに振り返って満面の笑みで言えば、キドちゃんは目を潤ませ、その瞬間俯いた



「……感謝する。流石、メカクシ団団員……っ……」



当たり前!

……俺らは、口をそろえてそう言った

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瑠音 - この作品、凄く面白いです!応援してるよ!本にして売ってほしい位!!!面白いです! (2015年8月11日 21時) (レス) id: 39fc9d8edd (このIDを非表示/違反報告)
鈴鐘草(プロフ) - 琉空さん» 大丈夫、まだ崩してないから!心配ありがとー。何で遺産くれないのっ!?(( (2014年11月30日 13時) (レス) id: 041b6bfdd4 (このIDを非表示/違反報告)
琉空 - 鈴鐘草さん» 鈴ちゃん、最近寒いから体調崩さないようにね!!更新いつでも待ってるから、頑張れ!!( ´ ▽ ` )ノ遺産はナイケドネ!!← (2014年11月29日 23時) (レス) id: 047d33efae (このIDを非表示/違反報告)
鈴鐘草(プロフ) - ☆ハガネ☆さん» 初めましてー、☆ハガネ☆さん!あばばば、読み返していただけるとは…ありがとうございますっ。更新頑張ります。コメントありがとうございました! (2014年11月27日 22時) (レス) id: 041b6bfdd4 (このIDを非表示/違反報告)
鈴鐘草(プロフ) - 琉空さん» そうだよ霊長類だよ!www ……え、何をイッテイルノ?(威圧← (2014年11月27日 22時) (レス) id: 041b6bfdd4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鈴鐘草 | 作成日時:2014年9月17日 20時

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