ニガテな上司（センラ）

＊ ページ22

「……私達の過去の話、
勝手に他人にばらさないでくれる？」

「え……」

「センラさんに言ったんでしょう？
聞いたよ。」

「え、あ、言ったけど……
でもそれは！
Aが理不尽にセンラから文句言われたって聞いたから、庇わなきゃって思ったんだよ！」

「聞いたってセンラさんに？」

「あぁ。
昨日、センラにAと何話してたのか聞いたら、誤解されて怒られたみたいだったから…！
だから俺は！」

何、それ。
てか私とセンラさんが何話してたかなんて関係ないでしょ。
なに勝手に聞いてるの？

「……勝手なことしないで。
あなたになんて庇われたくないから。」

「俺はお前のためを思って、」

「私のためを思ってるならもう関わらないで。
なに？私がいつか浦田くんに振り向くとでも思ってるの？いい加減にして。」

そうやって、奥さんいるのにフラフラ中途半端なことをして。

いつになったら学習するの。

「とにかく、今回はセンラさんだったからいいけど、もうやめて。
勝手に言いふらさないで。
あの時のことは、私の人生の汚点なの。
もう無かったことにしたいの。」

「A……」

浦田くんはまだ何か言いたげだったけど、
私はもう1秒も話したくない。
だから気づいてないフリをした。

「じゃあね。」

そう言いさっさと電話を切った。

そして再び浦田くんをブロックリストに入れたのは、言うまでもない。

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