溺愛される鬼少女③ (ページ7)

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切ない夜② ページ7

「ハヤクシロォ！」

「だから早く言ってくれれば良かったんだよね」

急いで準備をして屋根を上を走って移動。
まあ、言ってもまだ夕方だからね。

鬼はまだ出てこないけど。

「コノ街ダ！」

着いたのは隣町。
もうすぐ日が落ちる。

「…にしても、広い街だなあ」

いかにも都会って感じ。
高い建物と賑わう人々。

ここにも鬼は出るんだ。

「…」

よく見たら周りの人は暗い顔をしてる。

「…あの子は、どこに…」

どこかでそんな声が聞こえた。

気づけば日は落ちていて
夜になっても眩しい街並み。

鬼の気配がする。
…あっちかな。

人の叫び声は聞こえない。

恐らく人通りの少ない路地を選んでる。

「…い…っ！？」

鬼を見つけた。
だけど、その鬼は人の腕を喰っていた。

鬼の呼吸弐ノ型鬼神の舞

流れるような舞で激しく何度も斬りつけて鬼がふらついた隙に女の人を横抱きにして距離を取った。

「あ…あ」

距離を取った先にいた男の人。

「…す、けて…た…すけ」

「…っ」

腕を千切られてる。
それに腹の傷が深い。

…もうこの人は助からない。

「うわああ！死ぬな！死なないでくれぇ！」

地面に女の人を降ろすとそう叫びながら男の人が女の人の頭を抱えた。

「いい刀だな」

回復が終わった鬼がこっちを見る。

「このいい刀で死ねる事を光栄に思ってね」

血鬼術花牢獄

爪で手のひらを傷つけ地面に血を撒き散らしてそこから花とツルの丈夫な牢獄を作る。

私と鬼だけを閉じ込めた。

「なんだ？これは」

「牢獄」

トンッと軽く飛んで壁を蹴って鬼の間合いに入る。
この牢獄は底辺の鬼じゃ壊せない。

「…ッ！？鬼が何故！」

「私、怒ってるから教えない」

鬼の呼吸参ノ型鬼蓮の羽衣

ふたつの方向から同時に斬りつけ、鬼の首を狙ったけど左の短刀を弾かれた。

予備のもう一本に手を伸ばしてすぐまた斬りかかるけど上手くいかない。

「…ふう」

一旦距離を取った。

「お前如きに俺は殺せ…どこに行った！」

鬼の呼吸漆ノ型霊鬼

鬼から距離を取ると同時に見つからないよう姿を消してそのまま背後から静かに真っ直ぐ首を斬った。