溺愛される鬼少女③ (ページ41)

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【番外編】キメツ学園④ ページ41

「冨岡ァァァ！！」

バタバタバタッ
ガラッ

ドカァンッ

効果音をつけるならこれだろう。
今の状況を説明するとね…

不死川先生の声と共に大きな足音。
職員室が開いて走って入って来た冨岡先生と不死川先生。
勢い良すぎて2人とも転けた。

「え？ダサッ！」

てゆうか、なんで先生が廊下走ってんの。

「クソが！」

「退いてくれ、不死川」

職員室内で今にも殴り合いが始まりそうな予感。
本当に帰りたい。

「いったい何があったんだ！！」

それを止めたのは煉獄先生。
ふたりの間に割って入った。

「何があったって、こいつのせいで保護者からの苦情が多すぎんだよォ！」

「つまりそれでストレスが溜まってると？」

思わず口を挟んでしまった私を殴りたい。
不死川先生にめっちゃ睨まれてる、殺される。

「あァ？文句あんのかテメェ」

「嘘です。ごめんなさい。冨岡が悪い！」

「恐怖で大切な事忘れてるぞ」

呑気にポテチを食べ始めた宇髄先生はもちろん私の鞄を踏んでるからね。

…先生つけるの忘れた。

「冨岡…」

切なそうに自分の名字を唱える冨岡先生に土下座して謝りたくなった。

まじでごめんね。

「まあ、それは良いとしてだな！冨岡、君はもう少し生徒に対して…」

と語り出す煉獄先生。
暑すぎ。なんか熱いこの部屋。

「はぁ」

ため息をつきながらソファに寝転んだ不死川先生。

「…それで、先生。私来ましたけど」

「あァ。なんでいんだよ」

「いやいや、あなたが呼んで…」

まさか忘れたの？
不思議そうな顔をする不死川先生はきっと忘れたんだろう。

じゃあ私のこの時間何だったの？

「帰ります。今すぐに」

帰らせてくれ。

「お前が呼んだんだろ？」

と言い出した宇髄先生の口を慌てて塞いだ。

「わーわー！！不死川先生ポテチ食べていいですよ！」

「何やってんだお前ら」

まあそう言いつつポテチ食べる先生好き。
聞かなかったことにしてね。

「…お前そんなに俺の事愛してたのか」

「は？何言って…え？近い近い」

手を離すと顔を触れそうな距離まで近づけてくる宇髄先生を訴えようかと思った。