超特急のお気に入り

○Super Express Board 5 ページ23

〜稜雅side〜






豪快に鼻血をお洋服に垂らした彼女は



笑いながら化粧室に洗いに行った




しかし俺は気にかかることがいくつもある




化粧室付近で待っていると




出てきた彼女は先程とは真逆の表情をしていた






『…あっ、稜雅さん笑

何ですか？覗きですか？』




稜雅「君の中で俺の立ち位置なんなの？！

犯罪者なの？！」





いつものように
ヘラヘラした感じにすぐに切り替えた





意外と器用なんだ…自分を作ったりするんだ…





なんとなく当たり前だが

自分は彼女のことを全然知らないんだと思う




…まぁ、一回ゲームしただけの仲なんだけど







稜雅「…もしかしてさ好きな人いた？」




これは一番の気がかり



答えによっちゃ俺と拓弥はとんでもない罪を犯したことになる




『えぇ？！なんですか急に？


勿論、後にも先にも大好きな推しは太陽さんです！！！……まぁ彼氏になっちゃいましたけど笑』




……良かった



安堵の溜息をつく




稜雅「…なんかさ匠海君…様子変だったよね」




『あ…はい…』



突如曇る表情





稜雅「心配だよな…なんか、幼馴染って…特別だよね」



『おさなな？！？！

え！稜雅さんんっ！祐基さんとのおなささエピソード聞かせてくださいよぉ〜！！』



稜雅「いや急に元気？！？！

…やだよ」



『えぇなんで〜ケチ！

そんなんだからいつまでたってもオタクなんですよ…』




稜雅「君に言われたくない言葉堂々の第1位だよそれ。」




『うーーーーん


ねぇ稜雅さん……好きって…なんですか？』




気まずそうに微笑んだ…


何故俺にそれを聞く




海とかのが知ってるんじゃ





稜雅「知りたいって気持ち」





そんでもってなんで俺は答えたのか



なんでこう答えたのか





『知りたい…か


……なにそれっぽいこと言ってんですか』





稜雅「いや聞いたの自分んんん？！」





『なんか…稜雅さんって話しやすいです笑』




稜雅「俺も…女の子ってスゲェ怖いけど


Aちゃんは謎に話せる


オタク同士だからかな笑」





『わ、私………オタク辞めなきゃいけないですか？』





稜雅「え、辞めないでよ笑」




『良かった…笑

私ずっと超特急のオタクをしてたいから…』





彼女のが格上なんじゃ…とツッコミを入れようとして辞めた




なんだか君には誰かの特別よりも



ずっと俺ら全員を好きでいて欲しいだなんて



らしくないことを思った不思議な夜






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