・8 ページ8
とりあえず保育園を探すだけ探そうと言うことになり、二人揃ってパソコンの前で睨めっこをしていると、家入がAを連れてリビングに戻ってきた。
「あ、おかえり〜」
「傷の手当は終わった。全部綺麗に治ったわけじゃないから、この傷薬を風呂入ったあとに青アザに塗ってやれ。」
「はいはーい。A、もう痛いところない?」
「……わかんない。」
「ん〜わかんないかぁ…まぁ、今はそれでいいよ。」
「いいのかホントに……?」
「じゃ、早速呪霊について教えてあげようね。」
Aを連れて椅子に座ると、あとの二人も同じように座る。呪霊とは何か、呪いとは、術式とは、御三家とは、六眼とは、一つ一つ丁寧に、そして子供にも分かりやすいように簡単に教えていく。
「今はまだ難しいかもしれないけど、ゆっくり知ってけばいいよ。」
「………うん。」
「あとね、Aの力って凄くてさ。怖いじじい達がAを狙ってくるかもしれないけど、僕が守ってあげるから安心してね。」
「私達もできるだけの協力はするからね。困ったことがあったら遠慮なく教えて。」
「…………うん。」
子供はこんなに大人しかっただろうか、と疑ってしまうほどに大人びている。普通の3歳児ならイヤイヤ期も始まって我儘が多い歳だろう。落ち着きがなく、動き回る歳。
子供らしさは彼女には全くない。
「でね、僕と傑は呪術師の中でも特級っていう特別な位置付けなの。その分めっちゃ忙しいし、出張で海外に行かなきゃいけない時もある。そうなると、硝子とか他のお友達のところに預けることになるけど、いい?」
「………うん。」
「でね、Aには日中保育園に行って欲しいなぁ……なんて思うんだけど……どう思う?」
「ほいくえん………?」
「そう、保育園。同い年くらいのお友達が沢山いるところ。行ってみない?」
「………うん。」
五条の質問にも全部頷くだけ。されるがまま、言われるがままに頷いているだけにも見える。そんな彼女がどれだけ辛い思いをしてきたかなんて、その日会ったばかりの彼らでは知ることは出来ない。
3273人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
吹雪 - 36話はちょっぴり泣いちゃったけど、37わの七海さんの舌打ちとかあと出しはなしとかで涙が吹き飛びましたよ! (2022年9月6日 20時) (レス) @page38 id: ad117a8b13 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - ほんとにこの小説大好きすぎて最新話まで何回も読み返しました😂💕 (2022年4月11日 22時) (レス) id: 38495df96a (このIDを非表示/違反報告)
細かくてすみません。 - 13話の「浴室に座る」という部分、「湯船に浸かる」か「浴槽」ではないでしょうか?
20話は「郵送」ではなく「配送」ではないでしょうか?
こういう夢主子育てもの大好きです。更新楽しみにしてます♪ (2021年4月14日 17時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 五条先生のパパ好きすぎる(*´ー`*)立派な親バカですねww夢主ちゃんがこれからどう成長していくのが楽しみです。更新頑張ってください! (2021年4月10日 22時) (レス) id: fbb43f1a3d (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 面白いです!更新頑張ってください! (2021年4月7日 6時) (レス) id: b6d2dcf77b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年4月5日 3時