検索窓
今日:52 hit、昨日:74 hit、合計:2,415,773 hit

・41 ページ41

泣き疲れて眠ってしまったAを抱えて高専に入ると、夏油らが驚いてこちらを見た。





「え、寝てる?」

「珍しいですね!!」

「灰原、静かにしろ。」

「泣き疲れて寝ちゃった。」

「……泣いた?」

「そ、僕の顔見た瞬間ね。いきなり泣くからびっくりしちゃったけど、ちょっとは子供らしくなったみたいで良かったよ。」




ソファーに荷物を置いて、Aを寝かせると自分の来ていた上着をかけてやる。





「………泣けないもんだと思ってました。」

「僕もだよ。友達にからかわれても泣かなかったらしいからね………ちゃんと泣けるんだもん、安心したよ。」

「………私達も安心したよ。」





Aの寝顔を見ながら嬉しそうに笑う五条を見ながら、夏油はそう言った。

Aが子供らしくなり、人らしい部分を持つのと同じように、五条も父親として成長している。最初こそ心配していたものの、今となっては2人を見守るのが少し楽しくもなってきた。





「んん…………?」

「あ、起きた?おはよう〜」

「おはよう、A。頭痛かったりしないか?」

「………うん、」





目を擦りながら起き上がる彼女は、小さく欠伸をした。





「………ぱぱ…………」

「んー?」

「…………おこってる、、?」

「え、なんで?」

「………ないちゃったから、………」

「…………なんで怒ってると思ったの?」

「…………ままはね、わたしが泣くと、うるさいって………たたくの………」





その言葉に彼らは眉を顰めた。彼女は泣かないんじゃなく、泣けなかったんだと理解して胸が苦しくなる。





「……怒ったりしないよ。泣きたい時は泣かないとね。それも子供の仕事だよ。僕こそごめんね、ずっと一人にして。明日と明後日はお休み貰ってるから一緒にいようね。」





そう言って五条は彼女を優しく抱きしめた。今すぐにでもあの女を呪ってやりたい。でもそれはAも悲しむかもしれないと、その気持ちを静める。





「……悟も随分父親らしくなったよ。」

「だな。」





二人は顔を見合わせると、安堵の表情を浮かべた。

・42 作者より→←・40



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1245 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3273人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

吹雪 - 36話はちょっぴり泣いちゃったけど、37わの七海さんの舌打ちとかあと出しはなしとかで涙が吹き飛びましたよ! (2022年9月6日 20時) (レス) @page38 id: ad117a8b13 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - ほんとにこの小説大好きすぎて最新話まで何回も読み返しました😂💕 (2022年4月11日 22時) (レス) id: 38495df96a (このIDを非表示/違反報告)
細かくてすみません。 - 13話の「浴室に座る」という部分、「湯船に浸かる」か「浴槽」ではないでしょうか? 20話は「郵送」ではなく「配送」ではないでしょうか?  こういう夢主子育てもの大好きです。更新楽しみにしてます♪ (2021年4月14日 17時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 五条先生のパパ好きすぎる(*´ー`*)立派な親バカですねww夢主ちゃんがこれからどう成長していくのが楽しみです。更新頑張ってください! (2021年4月10日 22時) (レス) id: fbb43f1a3d (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 面白いです!更新頑張ってください! (2021年4月7日 6時) (レス) id: b6d2dcf77b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年4月5日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。