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ここ1ヶ月、五条の出張任務が増えたことにより、Aはほとんど夏油、家入、夜蛾の自宅や高専に預けられていた。五条に会っても直ぐに出張に向かってしまう。
「Aちゃん!今日は僕がお迎えに来たよ!!」
「灰原さん、お迎えありがとうございます!」
「いえいえ!僕こそいつも遅れちゃってすみません!」
呪術師である彼らが時間通りに迎えに来れることは少なくて、いつも彼女が他の子とどう接しているのかを見る機会はほとんどなかった。
たまに見かけても、彼女は直ぐに彼らの元に走っていくものだから、他の子と話しているところなんて稀に見るだけ。
「Aちゃん、今日は七海と僕と一緒に寝ようね!」
「……私もですか?」
「当たり前じゃん!!3人で映画見ながらポップコーン食べよう!!」
「……うん。」
「はぁ……仕方ないな……でもあまり遅くまで起きていてはいけませんよ。」
「………うん。」
しかし、彼女はというと五条が居ないというのに平気そうな顔をしていた。今まで親が親らしいことをしていなかったと言えどここまで平気なものなのか、と七海は彼女を見た。
平然と自分たちの間を歩く彼女はいつも通りだった。それだけしっかりしているということなのか、それともまだ心を開ききっていないのか。それは分からなかったが、泣いているところすら見た事が無かったので少し心配にはなる。
「七海!!お風呂ジャンケンしよ!!勝った方がAちゃんと入る!!!」
「……後出し無しですからね。」
正直言って、七海もAが可愛くないわけじゃない。それなりに一緒にいたいと思うし、いれば癒しになる。お風呂の時間は特に貴重だ。
「勝ったーー!!!」
「………チッ…………ドライヤーは私がやりますから。」
「はいはい!Aちゃん!お風呂行くよー!」
Aを抱えて風呂場に走っていく灰原の背中を見ながら、七海はため息をついた。
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吹雪 - 36話はちょっぴり泣いちゃったけど、37わの七海さんの舌打ちとかあと出しはなしとかで涙が吹き飛びましたよ! (2022年9月6日 20時) (レス) @page38 id: ad117a8b13 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - ほんとにこの小説大好きすぎて最新話まで何回も読み返しました😂💕 (2022年4月11日 22時) (レス) id: 38495df96a (このIDを非表示/違反報告)
細かくてすみません。 - 13話の「浴室に座る」という部分、「湯船に浸かる」か「浴槽」ではないでしょうか?
20話は「郵送」ではなく「配送」ではないでしょうか?
こういう夢主子育てもの大好きです。更新楽しみにしてます♪ (2021年4月14日 17時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 五条先生のパパ好きすぎる(*´ー`*)立派な親バカですねww夢主ちゃんがこれからどう成長していくのが楽しみです。更新頑張ってください! (2021年4月10日 22時) (レス) id: fbb43f1a3d (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 面白いです!更新頑張ってください! (2021年4月7日 6時) (レス) id: b6d2dcf77b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年4月5日 3時