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オレンジジュースを飲んだあと、五条は彼女をお風呂に入れた。
服を脱がせると身体中痣だらけで、本当に骨と皮のようだった。子供とはこんなに細いものなのだろうか。大人でもこんなに細い人間はそうそういないだろう。
「はい、ここ座ってごらん。お湯かけるけど目瞑ってなきゃダメだよ?」
「………うん。」
「痛かったら言ってね?」
シャワーより洗面器かな?と洗面器にお湯を入れて彼女の頭から優しくお湯をかける。彼女は言われた通り大人しく目を瞑りそこに座っていた。
椅子いるなぁと思いながら、シャンプーを手に出して泡立てる。泡を落としリンスーをして次は体を洗う。
「自分で体洗える?」
「……あらえる。」
「じゃ、背中は洗ってあげるから、前は自分で洗ってね。」
「…………うん。」
小さい子供をお風呂に入れたことなんてなかったが、こんなにも楽なものなのだろうか。いや、彼女が大人しすぎるだけだろう。街で見かける子供たちはもっとはしゃぎ回っていた。
体に着いた泡を流し終わったあとお湯に浸からせようと思ったが、もし足を滑らせて溺れたりしたらどうしようかと少し怖くなる。
「僕もすぐ洗うからちょっと待ってて。」
風邪をひく前にと五条は急いで頭と体を洗う。なにか対策を考えるべきか。
「はい、お湯浸かろうね〜」
彼女を抱えてお湯の中にゆっくりと入る。染みてないかな?と気にしながら座ると、彼女を膝の上に乗せた。
「傷、痛くない?」
「………うん。」
「熱くない?」
「……………うん。」
「そうか、なら良かった。じゃ、肩まで浸かって10数えたらあがろうね。数えられる?」
「……かぞえれる、」
「まじ?Aめっちゃ賢いじゃ〜ん!」
優しく頭を撫でて褒めてやると、やはり褒められたことなんてないのか戸惑っていた。彼女に10数えさせて、お風呂からあがる。
頭と体を拭いてやれば、 服は自分で着替えてくれるので、その間に自分も拭いて服に着替える。
「じゃ、頭乾かしたら歯磨いて寝よう!明日はちょっとお出かけするからね。」
「……おでかけ……?」
「そ、お出かけ。たのし……くはないかもしれないけど、優しい人が沢山いるよ。」
そんな話をしながら彼女を抱えてリビングに戻る。
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吹雪 - 36話はちょっぴり泣いちゃったけど、37わの七海さんの舌打ちとかあと出しはなしとかで涙が吹き飛びましたよ! (2022年9月6日 20時) (レス) @page38 id: ad117a8b13 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - ほんとにこの小説大好きすぎて最新話まで何回も読み返しました😂💕 (2022年4月11日 22時) (レス) id: 38495df96a (このIDを非表示/違反報告)
細かくてすみません。 - 13話の「浴室に座る」という部分、「湯船に浸かる」か「浴槽」ではないでしょうか?
20話は「郵送」ではなく「配送」ではないでしょうか?
こういう夢主子育てもの大好きです。更新楽しみにしてます♪ (2021年4月14日 17時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 五条先生のパパ好きすぎる(*´ー`*)立派な親バカですねww夢主ちゃんがこれからどう成長していくのが楽しみです。更新頑張ってください! (2021年4月10日 22時) (レス) id: fbb43f1a3d (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 面白いです!更新頑張ってください! (2021年4月7日 6時) (レス) id: b6d2dcf77b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年4月5日 3時