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夏油と家入が帰った頃にはもう夕食時だった。子供は何を好むのかと考えたが彼女に好きな食べ物などはあるのかと考えた時、その様子が思い浮かばなかった。

それは彼女の体を見れば分かる。服の上からでも分かるくらい細くて、抱っこをした時にそれは余計にわかる。家入が手当をした時も細くて骨と皮のようだったと言っていたのもあり、まともな食事を摂らせて貰っていた可能性はあまりない。





「ね、A。普段ご飯どうしてるの?」

「………ごはん……?」

「えーっと……ほら、何か食べたりしない?」

「……ぱん、とか……あさに食べてる。」

「………朝だけ?」

「……うん。ままが帰ってくるとき、もってきてくれる。」





食べ物は朝食のみ。そりゃこんな細っこいわけだと五条は納得した。





「……そうか………よし!じゃあぱぱが腕によりをかけて美味しいものを作ってあげよう!何食べたい?」

「………わかんない。」

「だよね〜………ん〜……子供が好きそうなもの………ん〜………」





スマホを取り出して何かないかと検索する。オムライス、ハンバーグ、カレー、シチュー、子供の好きそうな食べ物のラインナップが出てくる。

冷蔵庫を確認して何が作れるだろうかと考える。材料的にはオムライスが作れるだろうか。





「よし!オムライスにしよう!A、オムライスでいい?」

「………いいの?」

「いいのって……?」

「………ままが、かってになにかを食べちゃだめだって……」

「…………A、ご飯は食べないとダメなんだよ。あいつに言われたことは忘れな。これからはたくさん美味しい物食べよう。」

「…………うん。」

「オムライス、食べる?」

「………うん。」

「じゃ、少し待っててね。美味しいオムライス作ってあげるから。」





五条が優しく頭を撫でると一瞬ビクッと体を跳ねさせたものの、初めての感覚にどうしたらいいのだろうかと戸惑っていた。その日一日で、どれだけ母親からの愛情を受け取っていないのかが目に見えるように分かってしまった。

それが分かる度に、五条の中に父性のようなものが生まれてくる。最初こそ彼女を術師として育てられればいいなと思っていたのに、ほんの数時間で娘を育てる父親の気持ちになってしまった。

これが父性か……と納得しながらエプロンをつける。

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吹雪 - 36話はちょっぴり泣いちゃったけど、37わの七海さんの舌打ちとかあと出しはなしとかで涙が吹き飛びましたよ! (2022年9月6日 20時) (レス) @page38 id: ad117a8b13 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - ほんとにこの小説大好きすぎて最新話まで何回も読み返しました😂💕 (2022年4月11日 22時) (レス) id: 38495df96a (このIDを非表示/違反報告)
細かくてすみません。 - 13話の「浴室に座る」という部分、「湯船に浸かる」か「浴槽」ではないでしょうか? 20話は「郵送」ではなく「配送」ではないでしょうか?  こういう夢主子育てもの大好きです。更新楽しみにしてます♪ (2021年4月14日 17時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 五条先生のパパ好きすぎる(*´ー`*)立派な親バカですねww夢主ちゃんがこれからどう成長していくのが楽しみです。更新頑張ってください! (2021年4月10日 22時) (レス) id: fbb43f1a3d (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 面白いです!更新頑張ってください! (2021年4月7日 6時) (レス) id: b6d2dcf77b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年4月5日 3時

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