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「…傑さ、気づいてる?」

「あぁ。…多分硝子も気づいてるよ。」





イルカショーを見てキャッキャとはしゃぐAの肩をぐっと引き寄せて周りを警戒する家入を見て、夏油は顔を上げる。





「………集まってる。」





うじゃうじゃといる呪霊。三級、四級程度だがこんなに集まるのはただ事じゃない。イルカショーの会場で大量殺人でもあったんじゃないかと疑うレベルだ。





「ここ、ただの水族館だよな…?」

「そのはずだろうけどね……とにかく、Aを絶対に一人にするなよ。」

「分かってる。祓えるもんは片っ端から祓うぞ。」





イルカに夢中で呪霊に気づいていないのが不幸中の幸いだろう。そのまま周りを警戒しながら、凄いね!とはしゃぐAに笑顔を向ける。





「……!!!」





Aのすぐ後ろで、バシュッ!と何かを引き裂く音が響いた。





「………?」

「Aどうしたの?イルカさんジャンプしてるの見逃しちゃうよ〜?」





後ろを振り向こうとしたAの身体を前へと向けて、ほらほら〜と指をさす。まだ幼く、疑うことを知らない少年はその不自然な動きを不審に思うことなくイルカへと目をやった。

家入に目をやると、ぎゅっとAを抱きしめてさらに周りを警戒していた。





「………おい、いま…………」

「………あぁ。」





先程の音は、五条が呪霊を祓った音。平日とはいえ、人はそれなりにいる。イルカショーなんて水族館の大イベントだ。水族館の人間のほとんどがそれを目当てにしている。

何人も人間がいる中で、迷わずにAを襲おうとしたのだ。そもそも、あんな低級の呪霊が自分の存在に気づいていない人間をいきなり襲うはずもないのだ。おかしい、何かがおかしい。ゾワゾワと肌が粟立つ。





「……もしかしたら僕を狙ってきたのかもしれない。まだ分からない。」

「だとしてもおかしいだろ。なんで突然。」

「………?どうしたの?」

「んーん、なんでもないよ。大丈夫。」

「イルカショー終わったらふれあいコーナー行ってみような。」

「うん!」





まずはAの身の安全が第一だ。不安にさせるな。その一心で、彼らはいつも通りの笑顔を浮かべた。

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田中たけし(プロフ) - コメント失礼します中身をみたいのですがみれませんどのような内容なのでしょうか? (1月4日 23時) (レス) @page40 id: 9d82b80c5a (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - このシリーズ大好きなんですけど、シリーズの子供達を会わせて見て欲しいwww (2021年9月2日 16時) (レス) id: 87cefe627d (このIDを非表示/違反報告)
紺夜 - 更新ありがとうございます!続き楽しみにしています(≧ ≦)無理せずお願いします(o_ _)o (2021年8月13日 16時) (レス) id: 805f8cb2b6 (このIDを非表示/違反報告)
おいら(プロフ) - 待ってましたァ!!応援してます!頑張ってください! (2021年6月19日 8時) (レス) id: e31082eaf1 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - このシリーズ大好きです!応援してます! (2021年6月18日 11時) (レス) id: 9c11a82941 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年6月18日 1時

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