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家入硝子には5つ上に姉がいた。同じく術師の姉は戦闘要員であり、危険な任務に出向くことも多くあった。優しかったと思う。強くて優しい姉だった。そんな姉が蒸発した。理由は分からないが、術師に耐えられなくなって逃げ出したのだろう。

仕方ない、辛い仕事だから。その時はそう思っていたが、子供が置き去りにされていたと聞いた時は驚いた。

姉に息子がいることは知っていた。姉が20の頃だから、家入はまだ15だった。夫は術師で、子供が産まれるのを待たずに任務で亡くなったそうだが、その夫に会ったこともなければ子供の顔を見た事もない。

身寄りのないその子供は施設に預けられると聞いて思わず自分が預かると言ってしまったのだ。あの優しい姉の事だ、きっと心から愛して愛情いっぱいに育てていたに違いない。子育てなんてしたことないし、正直自信が無い。でもせっかく血が繋がっているわけだから顔くらいは合わせておきたい。引き取れなくても、それくらいはしたい。

高専の面会室で会ったその少年は驚く程に細くて、髪が長く、歳の割には小柄だった。自分にも姉にもよく似ている。元々家入と姉の見た目が双子かのように瓜二つなのだから頷ける話ではある。

しかしどこか様子がおかしくて、ずっとビクビクしていた。





「この子が……姉の………?」

「………あぁ。一度お前に診て貰いたいと思っていたから、ちょうど良かった。」

「診るって……」

「……………身体中、痣だらけなんだ。」





夜蛾の口から放たれた言葉に驚愕する。いじめか?それとも何か事故か?いや、もう分かっていたはずだった。姉が子供を置いて行方を晦ました時点で分かっていたことなのに、認めたくなかった。





「………………初めまして。私、家入硝子。あなたの叔母さん。」

「…………ッ、………」





その子供は、家入に怯えたように震えて顔を背けた。





「…………私のこと、怖い?」

「…………ま、…まま、に、……にてる、…か、ら…………ごめんなさ、ッ、」

「………ネグレクトだ。この子は虐待を受けていたんだ。近隣住民からの証言によれば、普段はにこやかだが子供に対する当たりが強かったと聞いている。」





任務のストレス、ご近所付き合いなど日常から来るストレス、男関係のストレス、全てをその幼い子供にぶつけていたのだと言う。それを聞いた時、姉への尊敬や、敬愛や、愛情も、全てが消え去った。冷めてしまった。

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田中たけし(プロフ) - コメント失礼します中身をみたいのですがみれませんどのような内容なのでしょうか? (1月4日 23時) (レス) @page40 id: 9d82b80c5a (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - このシリーズ大好きなんですけど、シリーズの子供達を会わせて見て欲しいwww (2021年9月2日 16時) (レス) id: 87cefe627d (このIDを非表示/違反報告)
紺夜 - 更新ありがとうございます!続き楽しみにしています(≧ ≦)無理せずお願いします(o_ _)o (2021年8月13日 16時) (レス) id: 805f8cb2b6 (このIDを非表示/違反報告)
おいら(プロフ) - 待ってましたァ!!応援してます!頑張ってください! (2021年6月19日 8時) (レス) id: e31082eaf1 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - このシリーズ大好きです!応援してます! (2021年6月18日 11時) (レス) id: 9c11a82941 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年6月18日 1時

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