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「Aちゃん、最近調子はどう?」
「んー……普通?」
「そう。何か嫌なことされたら直ぐに傑ちゃんに言わなきゃだめよ?」
「うん。」
Aの事を気にかけていたラルゥはちょくちょく顔を出してくる。任務の後や、任務の前、暇な時だってそうだ。彼に限らずとも、家族たちはみんな彼女が大好きだった。可愛い妹が増えたみたいで嬉しいのだろう。
「傷が目立ってたお顔も、こんなに綺麗になって……メイクも上手くなったわね。」
「…ありがとう。ラルゥが教えてくれたから、傑さんも可愛いねって褒めてくれた。」
「あら、それは良かったわ!」
メイクの仕方、ファッション、髪、全て教えてくれたのはラルゥだ。そのおかげで彼女は自分を磨くことが楽しいとさえ思えるようになった。夏油もラルゥにはとても感謝している。
「……ラルゥに貰った。」
「何を貰ったんだい?」
「マニキュア。」
「マニキュアかぁ……いい色だね。君にピッタリだよ。」
淡いピンク色のマニキュアは彼女の白い肌にはピッタリだ。
「私が塗ってあげようか。」
「……うん。自分じゃ塗れないし。」
夏油は彼女の手を取ると、綺麗に手入れをしてから貰ったマニキュアを塗る。正直ベースコートとかトップコートなどはよく分からないので、ネットで調べてから。
手先が器用なので初めてにしては上出来な仕上がりだった。
「乾くまで待ってるんだよ。」
「うん……ありがとう。」
「ふふっ、いいえ。いつかネイルサロンにでも行ってみるかい?猿にさせるのは癪だが、プロの方が綺麗に出来るというのは事実だしね。デザインも豊富だろうし。」
「……んーん。……知らない誰かに塗られるより、傑さんに塗ってもらった方が綺麗……だめ?」
首を傾げる仕草に、キュッと胸が締め付けられる。可愛いなぁ……と自然と頬が緩んだ。
「そんな事ないさ。もちろん、これからも塗ってあげるよ。今度、一緒に他の色も見に行こうか。」
彼女の手を取り、スルッと親指で手の甲を撫でてからそう言う。すべすべの小さな手。彼女の一部である爪は自分により綺麗に飾られたのだ、と徐々に優越感を感じてくる。
「……どんなのがいいと思う?」
「ふふっ、赤とか可愛いかもねぇ……それとも、薄緑とか?」
次はどんな色で飾ってあげようかな___
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まゆゆ - 続編ですか! これからも頑張ってください(≧▽≦) (2021年3月13日 20時) (レス) id: 65cce41a2e (このIDを非表示/違反報告)
低体温(プロフ) - 更新される度読むのが楽しみです!!更新頑張ってください!! (2021年3月6日 4時) (レス) id: df64c86b58 (このIDを非表示/違反報告)
ぬっさっさ - めっちゃ好きです!!更新頑張ってください! (2021年2月24日 21時) (レス) id: 092bd421d4 (このIDを非表示/違反報告)
雪マカロン - 面白いです!更新頑張ってください! (2021年2月23日 16時) (レス) id: c9091179e7 (このIDを非表示/違反報告)
郡(プロフ) - こういう系のお話めちゃめちゃ好きです! 推します! (2021年2月23日 15時) (レス) id: 70b578b6e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年2月23日 12時