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プリンは結局半分ほどしか食べられなかったが、それだけ食べられただけでもいいほうだ。





「はい、薬。錠剤だけど飲める?」

「ん……飲める。」





薬を口に入れて水で流し込む。コクコクと喉が動いて水が流れ込んでいくのが見ていてわかる。





「ん、偉かったね。もう少し寝てな。夜はお粥を作ってあげるから。」

「ぅん…ありがとう…」

「いいんだよ。君には、早く元気になってほしいからね。」




優しく頭を撫でると、その熱が手へと伝わってくる。相当キツイだろう。聞けば風邪なんてそんなに引いた事がないらしく、熱があってもここまで上がることはなかったらしい。余計にきついだろう。

辛そうに呼吸をする彼女を見て、夏油はまた眉を下げる。





「あまり酷かったら、病院に行こうね。」

「ん…」

「少しでも、熱が下がればいいんだけど…」





熱を下げるにはどうすればいいのか…とスマホで調べる。やっぱり病院か……と唸っていると、服の袖がキュッと掴まれる。





「ん…?」

「……手、繋いで…ほしぃ…」

「…いいよ。」





遠慮気味にそういった彼女の小さな手をキュッと握ると、彼女は満足そうに微笑んだ。風邪の時、甘えたになるとはよく聞くことだ。しかしその小さな可愛らしい我儘に、夏油は頬がゆるみ彼女の手を両手で包み込んだ。





「安心していいよ。Aのそばに居るからね。安心してお眠り。」





安心させるように頭を撫でると、Aはゆっくりと目を閉じた。しばらく撫でていると眠ってしまったのか手の力が抜ける。





「これ以上、熱が上がらなければいいんだけどな……やっぱり明日病院に連れていこう。」





時雨に送迎を頼もうとスマホを手に取る。その時、スルッと自分の手から抜け落ちた彼女の手。それがなんだか寂しくて、もう一度しっかり握り直した。

満足そうに微笑み時雨へと電話をかけた。

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まゆゆ - 続編ですか! これからも頑張ってください(≧▽≦) (2021年3月13日 20時) (レス) id: 65cce41a2e (このIDを非表示/違反報告)
低体温(プロフ) - 更新される度読むのが楽しみです!!更新頑張ってください!! (2021年3月6日 4時) (レス) id: df64c86b58 (このIDを非表示/違反報告)
ぬっさっさ - めっちゃ好きです!!更新頑張ってください! (2021年2月24日 21時) (レス) id: 092bd421d4 (このIDを非表示/違反報告)
雪マカロン - 面白いです!更新頑張ってください! (2021年2月23日 16時) (レス) id: c9091179e7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - こういう系のお話めちゃめちゃ好きです! 推します! (2021年2月23日 15時) (レス) id: 70b578b6e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年2月23日 12時

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