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「傑……お前愛されてるな。」
「恥ずかしいからほんと黙って欲しい。」
にやにやと笑ってこちらを見る父親を思わず睨むが、彼はそんなの少しも気にしていない様子でお茶を啜っている。
「……Aちゃん……うちの子がね、こんなに楽しそうに女の子と話をしているのは初めてなの。あの子のあんな顔見たことない。……それだけあなたを愛しているのね。」
「あ、ありがとう……ございます……」
まさかそんな言葉をかけられると思っていなかった彼女は、恥ずかしそうに俯く。その時初めて見た彼女の少女らしい行動に、彼の母は嬉しそうに笑った。
「ふふっ……婿入りね……寂しくなるけど、二人に覚悟があるならそれでいいわ!母さんは応援する!」
「傑がねぇ……あのやんちゃ者の傑が彼女……お前も成長したね。」
「父さんちょっと黙って。」
母親はウキウキ、父親はしみじみして、夏油はため息をついている。ヤンチャしてたのか、してそうだもんなぁなんて思いながら少し笑う。
「Aちゃん、うちの子をよろしくね。」
「はい、任せてください。」
「今日は泊まっていくのか?」
「いいや、このあと任務があるから帰るよ。またゆっくり来るから。」
「気をつけてね?怪我しないようにね?」
「それは否定できないな。」
「Aさんも気をつけるんだよ。」
「ありがとうございます。」
夫婦はAに、是非また来てくれと優しげな笑顔をうかべる。そんなふたりに見送られて、並んでバス停へと向かう。
「優しそうなご両親だね。」
「君の両親もそうだろ?」
「……婿、入る気満々だね。」
「嫌かい?」
「まさか。でも、僕に飽きたら言ってね。新しい婿探さなきゃ。」
「飽きないよ。君は……まぁ、飽きさせる気なんてないけどね。」
「期待してるよ。」
「もちろん。」
二人は楽しそうに笑いながら、どちらからともなく手を繋いだ。
「それより気になるのはヤンチャ時代の傑なんだよね。」
「今すぐ忘れなさい。」
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moo(プロフ) - 面白かったです! (8月9日 2時) (レス) @page47 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
雪マカロン - これからも、更新頑張ってください! (2021年2月16日 8時) (レス) id: c9091179e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年2月15日 22時