・35 ページ35
｢……うちの子は、元気かな。｣
｢え……あ、はい。とても。｣
｢それは良かった。あまりにも楽しそうに笑っていたからね。｣
｢あと子、昔からちょっと周りより浮いててね。お友達、と呼べる子は少なかったと思うわ。でも、あなた達といてとても幸せそうで安心してるのよ。｣
夫婦は嬉しそうに笑いながら顔を見合せたあと夏油たちの方を見た。｢ありがとう｣と微笑む寿子のその表情は、Aにそっくりだった。
｢それで？どっちがお婿さん候補？｣
｢あ、こいつです。｣
｢………どこ指してるの？あ、硝子かな？ごめんね私邪魔だね。｣
｢お前だよ。｣
｢滅多刺しですかね。｣
うん、と太輔と顔を見合わせる聖志に夏油は身震いをした。この二人はガチだ。それは五条と家入も気づいたようで、哀れみの目を向けている。
｢いや、付き合ってないから。ほんとだから。｣
｢当たって砕ける予定だから大丈夫だよ。｣
｢なんで砕けさせようとするの？｣
｢ははっ！そうか、娘にもとうとう春が来たか！｣
｢いや、だから……あの……｣
｢あの子男勝りだからいつも女の子にもてちゃって……でも、それだけあの子が素を出してるって事よね？嬉しいわ〜！｣
｢や、あの……｣
｢いい報告を期待してるわ！｣
｢ダメだ話聞いてくれない。｣
少しも話の通じない寿子に肩を落としていると、雅志が苦笑いを浮かべながら夏油の方を叩いた。
｢悪いな、母さん達が。余程嬉しいみたいだ。｣
｢いえ、そんな……｣
｢でも、うちAガチ勢多いから許してやって。特に長男怒らすと怖いから。｣
｢雅志、表出ろ。｣
｢やだ何するつもり？場合によっては叫ぶぞ。｣
｢なんて？｣
｢きゃーっ！って。｣
｢きっしょ。｣
｢喧嘩レベルがクズ共と同じなんだが。｣
｢こら、硝子。｣
しかし、兄弟仲と言うより、家族仲の良さそうな家庭だというのが第一印象だった。それくらい暖かな家族に見えた。
｢お前達、そろそろ帰るぞ。聖志達預けて任務なんだからな。｣
｢僕も行きます！｣
｢だめだ。｣
｢それじゃあ。｣と頭を下げてから、彼らはワイワイとしながら帰って行った。そして、彼らが居なくなった途端に静かになる。
｢……嵐かな？｣
｢Aの親ってあんな感じか〜なんか似てた。｣
｢Aも兄弟喧嘩とかするのかな。｣
｢さぁ？でも……｣
｢ん？｣
｢なんで…｣
"なんで次男は話題にすら出てこなかったんだろう＿＿＿＿"
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1407人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
チビじゃねぇし、お前らが高すぎんだよ。♂ - ガチめに笑い方が宿儺になったのだが (2021年2月14日 4時) (
レス) id: 175edfd33c (このIDを非表示/違反報告)
ta0628tm0105(プロフ) - 次男…………なんかあった説…………最っ高、であります！！！良い良い！！俺はいま機嫌がいい！！！！ケヒッもう、最っ高…………続き待ってます！ (2021年2月14日 3時) (レス) id: 0ed1a1911f (このIDを非表示/違反報告)
rindou0505(プロフ) - とっても凄く好きな内容でした。本当に素敵な作品です。なんでお気に入りの登録者がこんなにも少ないのかが全く理解出来ません。が、応援しています。お身体に気を付けて作品の更新をして下さい。 (2021年2月10日 0時) (レス) id: abbbc2a66d (このIDを非表示/違反報告)
しぃぷ(プロフ) - え、めっちゃ好き……最高か？秒でお気に入り登録しました。素敵な作品有難う御座います！！更新頑張って下さい！！！ (2021年2月9日 23時) (レス) id: c3f6824249 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 最高ですめちゃくちゃ面白い…好き… (2021年2月9日 22時) (レス) id: 470bfeaa7b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花蛸花
| 作成日時：2021年2月9日 17時
