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｢げぇ……｣
呪霊の気配がぷんぷんのトンネルを前に、Aは舌を出して顔を歪ませた。
｢こら、そんな顔しない。｣
そう声をかけたのは次男の
今回、そのトンネルの呪霊を祓う任務に当てられ、それにAを同行させたのだ。その時、彼女はまだ一級呪術師だった。いや、既に一級の方が正しいかもしれない。
｢だってこのトンネル、絶対特級居るよ。そんな感じしかしねーじゃん。｣
｢女の子がそんな言葉を使わない。大丈夫、兄さんがついてるから。資料通りなら、特級一体に二級が二体……二級を頼めるかな？｣
｢当たり前。僕に任せてよ。｣
｢ふふっ、頼もしいね。｣
｢まぁ、僕からしてみりゃ二級なんて相手にもならねーけど。｣
｢……A、もう少し言葉遣いを正しなさい。女の子なんだから。｣
荒々しい口調で話す可愛い妹を前に、小さくため息をつく。
｢僕跡継ぎだから。少しでも男らしくしないと嘗められる。兄さん達みたいにガタイがいい訳でもねーし。｣
｢それを理由に逃げられると思うんじゃない。全く、口調ばっかり兄さん達に似て……｣
｢学校じゃ気をつけてるだろ。中学じゃスカート履かやきゃなんねぇから余計に気をつけねーと……｣
｢気をつけてるだけで気をつけられてないんだよ。せめて僕のように丁寧に紳士に振る舞うんだ。｣
｢自分を紳士だと？｣
｢言うようになったじゃないか。｣
慶彦は優しく笑い、ぐしゃぐしゃと彼女の頭を撫で回す。彼女はそんな兄の手が大好きだった。
｢そら、お話はおしまい。そろそろ呪霊様の御相手をしないとね。若き一級術師様のお手並み拝見といこう。｣
｢任せろ。｣
特級一体に二級二体。資料通り。慶彦は特級をあっという間に祓い、Aも手こずることなくささっと祓ってしまう。
｢いやぁー、案外呆気なかったな。｣
｢そうだな。｣
｢にしても、お前の氷はいつ見ても綺麗だなぁ……！｣
｢だろ！｣
｢呪霊が包み込まれた時のあの様子がなんとも言えないよ……！｣
｢そっちかよ。｣
氷について話が弾んでいた。かと思っていた。次の瞬間、慶彦の目の色が変わる。
｢A！！！！｣
｢うぇっ！？｣
ﾄﾞｽｯ!と、元いたところに音を立てて刺さったのは、大きな鎌のようなもの。
｢あーぁ、外してしまった。｣
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チビじゃねぇし、お前らが高すぎんだよ。♂ - ガチめに笑い方が宿儺になったのだが (2021年2月14日 4時) (
レス) id: 175edfd33c (このIDを非表示/違反報告)
ta0628tm0105(プロフ) - 次男…………なんかあった説…………最っ高、であります！！！良い良い！！俺はいま機嫌がいい！！！！ケヒッもう、最っ高…………続き待ってます！ (2021年2月14日 3時) (レス) id: 0ed1a1911f (このIDを非表示/違反報告)
rindou0505(プロフ) - とっても凄く好きな内容でした。本当に素敵な作品です。なんでお気に入りの登録者がこんなにも少ないのかが全く理解出来ません。が、応援しています。お身体に気を付けて作品の更新をして下さい。 (2021年2月10日 0時) (レス) id: abbbc2a66d (このIDを非表示/違反報告)
しぃぷ(プロフ) - え、めっちゃ好き……最高か？秒でお気に入り登録しました。素敵な作品有難う御座います！！更新頑張って下さい！！！ (2021年2月9日 23時) (レス) id: c3f6824249 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 最高ですめちゃくちゃ面白い…好き… (2021年2月9日 22時) (レス) id: 470bfeaa7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花蛸花
| 作成日時：2021年2月9日 17時
