・反抗期【15】 ページ5
｢先輩ってなんでタトゥー入れたんすか？｣
｢…んー…なんでだったかな……？｣
嘘だ。本当は覚えている。
中学三年生に上がってすぐのことだった。命を狙われ、任務の連続、そして非術師への嫌悪感。それらが積み重なり反抗期が一番ピークだった時期だ。
服を着てしまえばバレない臍とギリギリバレるかもしれない舌にピアスを開けて、中学の制服や部活のユニホームなら絶対に隠れる背中にタトゥーを入れた。本来日本なら未成年のタトゥーは御法度になる。
｢A…！？｣
｢……うわ。｣
｢こ、これ…ど、ど、どうしたんだ…！！｣
高専の更衣室で着替えている時にタイミング悪く入ってきたのがきっかけでバレてしまい、夏油は目を見開いて彼の背中に震える手で触れようとしたが、恐ろしくて触れられない。ﾄﾞｯﾄﾞｯﾄﾞｯと心臓が立てては行けないような音を立てる。
｢…どうしたもなにも。彫らないとこんなものないだろうね。｣
｢臍にもピアスが…！？この前舌ピアスの事について話したばかりだろ！｣
｢その時には開いてた。もういいかい。父さんには関係ないよね。｣
｢関係ないことないだろ！自分の息子がこんなもの入れてたら誰だって驚くに決まってるじゃないか！！そう簡単に消えるもんじゃないんだぞ！？｣
｢はぁ……別に、いいんじゃないか。私は気にしない。父さんも気にしなければいい。いちいち騒ぎ立てて面倒くさい。｣
小さく舌打ちをしながらシャツを羽織り、ボタンを留める。
｢……産まれたことすら知らなかったくせに、今更親面するなよ。｣
｢……あ"？｣
｢聞こえなかったかい。親面すんなって言ったんだよ。｣
｢……どうやら育て方を間違えたようだね。表で話そう。着いてこい。｣
その時の夏油の顔は今でも忘れられない。あの後、立てなくなるくらいにはボコボコにされて、出血がしばらく止まらなかったのを覚えているし、夏油が家入に怒られていたのも覚えている。その後、夏油が泣きながら、自分をどんな気持ちで育ててきたのかを熱弁したことだって鮮明に思い出せる。その時、一緒に泣いたのも。
あそこまでキレなくてもいいだろうに…とその時は思っていたが、今考えればそれなりに酷い言葉だったと思う。それ以来その言葉を口にすることは無くなったが、ある意味黒歴史だと思う。
✄−−−−−−ｷﾘﾄﾘ−−−−−−✄
【まぐろさんリクエスト】
息子の猛烈にすごい反抗期。
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shinox2(プロフ) - うわぁぁぁ！ありがとうございます！！嬉しいです！しかも2ページも使って頂いて(>_<) (2021年6月21日 16時) (
レス) id: 947326f28f (このIDを非表示/違反報告)
すず@anier017(プロフ) - こんにちは^^いつも楽しく読ませていただいてます！真希ちゃんとプールか海とかでデート中、少し離れた隙に真希ちゃんがナンパされてて、ものすごい不機嫌でナンパ野郎わ、蹴散らすような物語が読みたいです^^よろしくお願い致します！ (2021年6月21日 10時) (レス) id: a030ce827e (このIDを非表示/違反報告)
まぐろ(プロフ) - リクエストありがとうございました！ (2021年6月13日 10時) (レス) id: c21e60aa61 (このIDを非表示/違反報告)
白狐(プロフ) - はじめまして！いつも楽しく読ませて頂いてます。リクエスト失礼します。長期任務に行っていた息子くんが久し振りに真希ちゃんにあってめちゃめちゃ甘えちゃう、というのをお願いしたいです！これからも本編と最強と娘の本編、双方の番外編のどちらとも応援しております (2021年6月12日 18時) (レス) id: 1256071632 (このIDを非表示/違反報告)
ｼｮｺﾞﾏﾙ(プロフ) - リクエスト答えていただきありがとうございました！ (2021年6月11日 16時) (レス) id: 173ce9f96c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花蛸花
| 作成日時：2021年6月11日 0時
