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「……別に、好きな人なんていませんよ。」

「おや、そうなのかい?勿体ないねぇ、こんなに美人なんだから、好きな男を作りゃ直ぐに落とせそうなもんなのに。」

「今までに交際相手は居ましたの?」

「居ませんよそんなもの。そんなものが居たところで、禄なことにならない。」





Aは眉を寄せ、眼鏡を押し上げながら再びPCへと向き直った。目を細め、もううんざりだと言いたげにPCを睨みつけている。





「でも、告白はされた事くらいあるだろう?」





太宰がそう尋ねると、Aは小さく頷いた。そして「その話はしないでください」と眉間の当たりを抑えた。





「おや、何故だい?普通女の子は嬉しそうに話しそうなものだけどね。」

「みんながみんなそんな女じゃないんですよ。」

「何かありましたの?」





Aは嫌そうな顔をしたあと、小さくため息をついて眼鏡を外した。





「小学校六年生の時が最初でした。それまでにも何度か告白はあったんですけど、その時初めて事件が起きまして。」

「事件……ですか?」

「その男の子のことを好きだった可愛らしい女の子の耳に入ったんですよ。私は断ったんですけど、「私が好きなことを知ってるくせに」と教室のど真ん中で泣きながら怒鳴られまして。まぁ、そんなこと露ほども興味ない上知りもしなかったんですけど。」





女性陣だけでなく、その場で仕事をしていた男性陣も引き気味だ。え、今どきの子供ってそんな面倒くさいメンヘラみたいな子いるの?とドン引きである。





「教室内は殆ど私の味方だったんですけど、大事になって親を呼び出される始末でした。相手の親は平謝り出し、女の子は泣き喚いて手に負えない。結局その子は学校に来なくなった末転校していきました。」

「あの……初めてって事はその……今までにも何度か……?」





中島が恐る恐ると聞いてみる。





「えぇ勿論。告白される度に根も葉もない変な噂を立てられたり、幼稚な嫌がらせを受けたり。それは嫉妬した女の子に限らず、告白を断った男の子が噂を立てたという例もありましたね。オマケに何が最悪かって、告白してきた当の本人は私が嫌がらせを受けていても知らん顔。それ所か「俺もう振られてるから関係ない」と笑い話にする男まで居たものです。あぁ、ちなみに今話したのは割と最近屑の話です。」





ドン引きなんてレベルじゃない。最近の子怖すぎる。

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眠いちゃん - 続き楽しみにしてます! (2023年3月3日 14時) (レス) id: acdc06f415 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 面白いです!続き待ってます! (2023年2月3日 5時) (レス) id: 846f3d2d4a (このIDを非表示/違反報告)
- とても話がわかりやすく面白いです!!続き待ってます!! (2023年1月7日 23時) (レス) @page28 id: d9cbcf96d1 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 面白いです‼︎応援してます (2022年12月27日 15時) (レス) @page28 id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2022年5月29日 16時

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