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「あ〜……何をです?」





Aは首を傾げながら尋ねる。





「私の事。詮索されるものだと思ってた。」

「あぁ……そういう……まぁ、貴方のような小さな子がポートマフィアで何をしていたのか、興味はありますけど。聞いて宜しいものかと思って。」

「別に構わない。」

「じゃあ、どんな仕事を?」

「私は暗殺者。六ヶ月で三十五人殺した。」

「へぇ……」





二人の間に、不思議な間が生まれてしまう。二人とも見詰め合い、お互いに首を傾げている。その異様な空気感に、探偵社員も同じように首を傾げていた。





「……それで?」

「………それだけ。私は人を殺すために産まれてきた。殺戮の異能力者。」

「…………殺戮の異能力者…………なるほど。それで、貴方は何故探偵社に?」

「………もう、これ以上人を殺したくなかった。」





その時、泉がやっと視線を逸らした。その泉の横顔を見て、Aは何を思ったのだろう。黒い瞳でただじっと見つめたかと思うと、薄く紅の塗られた唇が開かれる。





「一七九人。」

「え………?」

「私が……一晩で殺した人間の数(・・・・・・・・・・)です。」






ぞくり、泉の背筋が凍った。探偵社に不穏な空気が走る。黒い瞳は、まるで深淵のように深く、暗く、何処を見ているかなんてさっぱり分からない。いつも通り、いつも通りの会話の様子かのように言った彼女が、どうしようもなく恐ろしくて、固まったまま身体が動かなくなる。

彼女はただの一般人だ。ただの一般人が、一晩で一七九人も人を殺したというのだろうか。冗談なのか。冗談にしてはタチが悪い。

彼女は徐に立ち上がる。





「着替えてきます。少しお時間頂いてもいいですか。」

「……あぁ、構わないよ。ゆっくり着替えておいで。色んな事があって疲れたろう?お休みしても良かったのだよ?」

「それはそれ、これはこれ。皆が皆貴方のようにちゃらんぽらんだと思わないでください。」

「相変わらず辛辣だねぇ〜」





いつも通りの毒舌だ。彼女は荷物を持って、今までの会話など無かったかのような素振りで事務所を出ていった。

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眠いちゃん - 続き楽しみにしてます! (2023年3月3日 14時) (レス) id: acdc06f415 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 面白いです!続き待ってます! (2023年2月3日 5時) (レス) id: 846f3d2d4a (このIDを非表示/違反報告)
- とても話がわかりやすく面白いです!!続き待ってます!! (2023年1月7日 23時) (レス) @page28 id: d9cbcf96d1 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 面白いです‼︎応援してます (2022年12月27日 15時) (レス) @page28 id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2022年5月29日 16時

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