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ある程度の時間が経ち、そろそろエリスも満腹だろうと言う頃に茶会が御開となった。





「お前は俺と情報管理室に行くんだろ。早く行くぞ。」

「着替えるのでちょっと待って貰えますか。」

「何を言うておるのじゃ。それはお主にやったものじゃぞ。」





尾崎が何を言っているのやら、と言った様子で口直しの梅茶を啜っていた。





「……はい!?」

「今日話してみて、お主には俄然興味が湧いた。それは私からお主へのお近付きの印とでも思っておけば良い。」

「そんな……こんな高いもの貰っても何も返せないですよ……!?」

「私は見返りなぞ求めてはおらぬ。然し……そうじゃのう……偶に、こうして顔を見せに来てはくれぬかえ。」





尾崎がにこりと笑ってそう言った。振袖を返却させる気は無いらしい。このままでは不毛な言い合いが続くだけ。Aは顔を見せるだけならと頷いた。





「後、ひとつ良いかえ?」

「なんですか……」

「鏡花の事をよろしく頼むぞ。」





優しげな笑みを浮かべて、彼女は言った。そんな顔もするのか。Aは数回瞬きをしたあと「まぁ、同じ職場ですし」と頷いた。





「それはそれとして着替えはします。」

「良いじゃねぇかそのままで。折角着飾ったんだ、茶会だけってのも勿体ねぇだろ?」

「そうよ、チュウヤの言う通り!A素敵よ!そのままで居なさい!」

「はあ……左様で……」

「ほら、さっさと行くぞ。」





中原に手を引かれ、Aはその部屋を出た。後ろでは尾崎とエリスが彼女に手を振っている。





「……何時までこの手を引いているつもりです?」

「姐さんに手前のエスコートを頼まれてるからな。」

「律儀なようで。」





彼女はそれ以上何も言わなかった。先程のスーツであればまだしも、振袖姿の彼女はとても目立つ。幹部である中原に連れられていれば尚更だ。なるべく人気のない場所を歩いてはいるが、噂というのは直ぐに広まってしまうものだ。Aは半ば諦めた様子でため息を着きながら、袖口で口元を隠す事で素顔を濁らせた。

そして思う。これは外壁から埋めていく超野蛮な作戦なのではないかと。






「………いや、流石にないか。」

「何がだ?」

「おたくの首領が腹黒すぎて話にならないって事ですよ。」

「急に首領の悪口言うじゃん。」

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眠いちゃん - 続き楽しみにしてます! (2023年3月3日 14時) (レス) id: acdc06f415 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 面白いです!続き待ってます! (2023年2月3日 5時) (レス) id: 846f3d2d4a (このIDを非表示/違反報告)
- とても話がわかりやすく面白いです!!続き待ってます!! (2023年1月7日 23時) (レス) @page28 id: d9cbcf96d1 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 面白いです‼︎応援してます (2022年12月27日 15時) (レス) @page28 id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2022年5月29日 16時

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