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「ただいまー!」

「やっと帰ったか唐変木!!!貴様今まで何をしていた!!!仕事を放ったらかして!!!」

「まぁまぁ国木田くん!それよりほら、お客様だよ。」





事務所に入るなり、眼鏡の男が太宰に詰め寄った。この人仕事サボってたのかよ。なんてツッコミをする間もなく、彼女は背中をぽんと押された。





「お邪魔致します。」





前に押された彼女は等々逃げ場をなくし、深々と頭を下げた。





「いらっしゃいませ!御依頼ですか?」

「いえ、太宰さんに無理やり……」

「………太宰さんそれは良くないと思います。」

「太宰、貴様……」

「国木田くん!敦くん!!!違うから!!!話聞いて!?」





白い髪の青年と眼鏡の男に冷たい目を向けられた太宰など他所に、駄菓子を頬張る男が彼女の目の前にひょっこり現れる。





「あ、やっぱり。君、特務課の坂口安吾の身内でしょ。」

「……!?な、なぜそれが……?」

「見れば分かるよ。顔も似てるし。」

「え、坂口さんの!?」





白い髪の青年が驚いたように声を上げた。彼女は特に隠す必要も無いからと、小さく頷いた。





「自己紹介が遅れてすみません。坂口の妹のAと申します。太宰さんとは兄繋がりの知り合いで、五年ぶりに再会したものですから、太宰さんのお誘いで下の喫茶処でお茶をしておりました。私は帰ろうと思ったのですけれど……」

「久しぶりの再会だ、坂口安吾に嫌がらせもできるし丁度いいって無理矢理連れてこられた。」

「………正解です。凄いですね。」

「なんと言っても、僕は名探偵だからね!!江戸川乱歩。困った時はどうぞ御依頼を!」





そう言って差し出された手を、彼女は迷いなく握り、「よろしくお願い致します」と頭を下げた。なんとも礼儀のなった子だと感心するのもそこそこに、国木田は再び太宰へと向き直る。





「この大馬鹿者!!誘拐と同罪だぞ!」

「誘拐だなんて人聞きの悪い!折角お洒落したのに安吾に今月五回目のドタキャンをされて御怒り心頭のAちゃんを慰めようと思って連れてきたのに〜」

「ご、五回目……!?」

「そうだよ五回目だよ!安吾は国木田くんと同じで、余程仕事が好きらしいからね〜」





「私なら絶対ごめんなのだけどね〜」と、太宰は顎を擦りながら呟いた。お前はもっと働け。

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琉亜 - うち的にはもうちょい安吾との絡み見せて頂きたい (2023年2月23日 23時) (レス) @page7 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2022年4月29日 1時

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