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中島は荷物の陰へと体を押された。押された、と言うより、弾き飛ばされた、の方が正しいかもしれない。
「Aちゃん!!!!」
即座に起き上がった中島が見たのは、その場に立つAだった。傷どころか、銃弾がどこかに当たった形跡もない。
「やれやれ………大事な荷物があると言うのに、良く撃てましたね。無謀というか……なんというか。」
からん、音を立てて、彼女の手から何かが落ちた。それは銃弾だった。さっき男が撃った銃弾だ。ぞろぞろと密輸業者の男たちが彼女を囲む。男の手には鉄パイプ、
「………あまり、乱暴は好きじゃないんですがね。」
眼鏡を押し上げる。それを合図に、彼女に向けて男たちが飛びかかった。拙い。そう思った中島が動き出そうとしたが、その身体を止めた。目の前の光景に、目を見開く。
一人の男の体が彼女に引き寄せられた、一人の男の体が地面にめり込んだ、一人の男の体が弾き飛ばされた、一人の男の動きが遅くなった。彼女の周りで、不可思議なことが起こる。中島がぽかんとしてる間に、男達は既に倒れていた。
「中島さん。手錠を。」
「あ、う、うん、、!」
中島が一人一人に手錠をかけ、縄で繋ぐ。その間に、Aは軍警へと連絡を繋いでいた。十数分もすれば、探偵社からの電話というのもあって、軍警が駆けつける。
「ご苦労様です。」
「こちらこそ、ご協力感謝致します!」
「初めて見る方ですね……社員の方……ですか?」
「はい。新しく探偵社の調査員になりました、坂口Aと申します。新人なもので、名刺を持っておらず失礼致しました。以後よろしくお願い致します。」
丁寧に頭を下げる彼女に、軍警の刑事は敬礼をして「こちらこそ、よろしくお願い致します!」と笑顔で言った。中島が軍警の刑事に説明している間に、Aは軍警の人間と交友を広めていた。
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琉亜 - うち的にはもうちょい安吾との絡み見せて頂きたい (2023年2月23日 23時) (レス) @page7 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2022年4月29日 1時