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「よかったねぇ、Aちゃん!合格だよ!」





ぱちぱちと太宰が手を叩くのを横目に、Aは持ってきていた通学鞄から書類を取り出した。





「一応、目を通していただけませんでしょうか。履歴書です。」

「ふむ……拝読しよう。」





福沢はその封筒を受け取ると、その場で封を切った。探偵社に来て初めて履歴書を見た中島は「書いてきたんですか?」とAに尋ねる。





「普通に常識では?仕事をするに当たって、履歴書は働くものの経歴を記すもの。然しながら、ここではあまり必要ではないみたいですね。」

「僕は初めて見ましたね……」

「でしょうね。」





彼女は眼鏡のブリッジを押してそう言った。福沢が目を通す履歴書を、江戸川はキャンディを舐めながら覗き込んだ。





「漢字、英語、数学、PC関連は一通り……秘書に簿記に電卓……結構な量の資格だな。こんなに取ってどうする気?」

「あって困るような資格でもないので。検定なんて、今のうちに取っておいて損もないですし。」

「君は勤勉なのだねぇ。安吾もさぞや鼻が高いだろう。」

「……ふむ……太宰の言う通り、貴君は勤勉な少女のようだ。これなら事務員として働くことも可能だが……貴君は調査員志望と聞いている。」

「太宰さんがそう言っているだけですよ。然し、私はなんでもいいです。調査なり事務仕事なり押し付けてください。バイトなので。唯、まだ学生なので土日は通常勤務時間フルで働くことが可能ですが、平日は午後からでもよろしいですか。」

「学業を優先して構わない。」

「ありがとうございます。」





福沢相手に少しも怯まず、自分の勤務条件を出す彼女に中島はぽかんとしていた。自分と歳も変わらないというのにしっかりしているというか、大人びているというか。





「にしても、さっきのAちゃんの足技は実に華麗だったねぇ!でも、明日からも制服で仕事をする気かい?」

「仕事用のものを購入するつもりです。更衣室はあるのでしょう?」

「一応ね。いやぁ、でも良かったよ!そのままでは、荒事専門の探偵社で調査員をやっていくのに少々不安が残る。体術を嗜んでいるなら尚更。」

「何がです。」

「だってほら、今日みたいに君に似合う黒の下着が見えたりしちゃいけないだろう?」





次の瞬間、太宰の体が宙を舞った。

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琉亜 - うち的にはもうちょい安吾との絡み見せて頂きたい (2023年2月23日 23時) (レス) @page7 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2022年4月29日 1時

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