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「その言葉を聞いて安心したよ。」
森はちょいちょい、とAに向けて手招きをした。不思議そうな顔で中原と目を合わせ、Aは小走りで森の隣に立った。「何か?」Aは不思議そうに首を傾げた。森は彼女の被っている
「君が幸せだと感じるなら、私は誰と結ばれてもいいと思っているよ。最低限の教養とマナーがあればね。中也くんはその辺はクリアしているし、何より五大幹部だ。何の心配もないだろう。然し、結婚を前提にとはまた大きく出たね。」
「私達いつ死ぬか分かりませんので。」
「良い話してる時に縁起でもないこと言わないよ。」
森は呆れた様子でそういうと、彼女の頭にもう一度帽子を被せた。
「ヴェルレエヌくんには言ったかい?あぁ、太宰くんには言っておかないとね。あと紅葉くん。」
「彼奴には別に知らせなくても……」
「ダメだよ。Aちゃんの、未来の義兄さんになるんだからね。きちんと挨拶してくるんだよ?」
「はぁい。」
Aはあの抜けたような返事を返した。
「A姉様、結婚式はいつにするの?」
「まだ先だよ、エリス。最低でも十八になってからか、成人してからかな。」
「綺麗なウエディングドレスを着た姉様を早く見たいわ!あ、白無垢も見てみたい!」
「いいねぇ!お父様張り切って式場準備しちゃうよ!!」
「中也さん、ヴェルレエヌさんの所行こ〜」
ふんすふんすと鼻息を荒くする森を他所に、Aは踵を返して執務室を出た。後ろで何やら騒いでいるのも気にしない。
「良いのか?放ったらかしで。」
「何時もの事よ。ああなったら長いんだもん。あのままじゃヴェルレエヌさんの所はおろか、姐さんの所にも行けないわ。任務すら出来ないかも。」
「やっぱり彼奴の所に行くのか……?」
「行くよ。中也さんのお兄さんだからね。中也さんだってそう納得してたじゃない。」
「そうだけどよォ……」
「もしかして、お兄さんに弄られるのが恥ずかしくて彼女の存在を隠そうとして襤褸が出るタイプの高校生と同じ心理?」
「何でそんな具体的なんだよ!?!?」
Aはケラケラと笑う。何時もと同じ風景なのに、何故か二人の纏うオーラが何時もと違う。もしや等々くっ付いたのか?と、噂はあっという間に広まった。
ヴェルレエヌの所から尾崎の所に行く頃には、もう既に尾崎にまで話が回っていた。
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Napia - 完結おめでとうございます!! お疲れ様です!! 毎週のように「更新してるかな?」とウキウキしながらみてました!! 番外編も読みますぅ!! (2022年4月26日 16時) (レス) @page37 id: bc58708f8e (このIDを非表示/違反報告)
あんころ(プロフ) - お疲れ様でした!完結おめでとうございます!ダントツで面白かったです!! (2022年4月23日 19時) (レス) @page36 id: 9e178210e2 (このIDを非表示/違反報告)
クリスタルパワー(プロフ) - 完結おめでとうございます!!いつも更新を楽しみにしてました!番外編があったら楽しみにしてます! (2022年4月23日 19時) (レス) id: 47ef91694a (このIDを非表示/違反報告)
向月葵(プロフ) - 完結おめでとうございます〜!最初の頃からずっと応援していたので、見届けられてほんとに嬉しいですし、めちゃくちゃ面白かったです!番外編も楽しみにしてますね。 (2022年4月23日 19時) (レス) @page36 id: b81c3ee352 (このIDを非表示/違反報告)
Hazuki(プロフ) - 凄く面白いです!15ページの「鼻歌」が「花歌」になっています…間違っていればすいません。これからも更新楽しみにしています!! (2022年4月21日 20時) (レス) @page15 id: 140c609c2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2022年4月16日 11時