・1 ページ1
Aが探偵社に保護、という名の入院をして三日が経った。等々抜糸が行われたものの、怪我は治りかけ、ということもあり、あと五日は大人しくしておく事となった。
｢ねぇ〜私Aの所に行きたいのだけど〜〜｣
｢ダメに決まってるだろ。そう言って昨日も一昨日もあの小娘の居る医務室に篭っていただろ。いい加減仕事をしろ。｣
｢えぇ〜〜〜〜！！！｣
｢太宰さん、私だってAとお話するのを我慢して仕事してるんですのよ？太宰さんだけ抜け駆けなんてするしませんわよ。｣
｢ナオミちゃんはほんとにあのこと仲良しだねぇ〜……はぁ〜〜………やる気出ない〜〜〜………｣
太宰がだらけているのを見た谷崎は苦笑いをもらしたあと、ふと時計を見る。彼女は仮にも敵組織の幹部。監視をする程でなくても、定期的な様子見が必要になる。中島がAの様子を見に行ってもう三十分も経過している。
｢敦くん遅いなぁ……｣
｢Aさんとお話でもしてるんでしょうか？｣
｢賢治、ちょっと様子を見て来てくれないか。｣
｢はーい！｣
｢賢治くん！！私が代わりに！！君は仕事を続けたまえ！！｣
｢お前がな！！！！｣
宮沢の代わりに、と事務所を飛び出していこうとする太宰を無理やり椅子に座らせる国木田。いつも通りの風景だ。然し、そのいつも通りを崩す出来事が起こる。
｢国木田さん！大変です！！｣
｢なんだ、どうした。｣
｢Aさんの代わりに、敦さんが医務室で寝てます！｣
がたり、と、皆がいっせいに立ち上がった。国木田を筆頭に医務室に駆け込むと、そこにはぐーすかと寝息を立てて寝ている中島の姿があった。
｢なっ…、！どういう事だ！敦！起きろ！！｣
｢薬品棚から睡眠薬が消えてるねぇ……｣
｢注射器で打たれたんだろうね。ハンガーにかかってたあの子の服も無くなってる。｣
そう言って、江戸川は床に転がった注射器を指先でつまみあげる。その反対の手には一枚の用紙が持たれていた。
『直ぐに帰りますのでご心配なく。
からかってごめんなさいね、可愛い可愛いチェリーの小虎ちゃん♡♡』
可愛らしいキスマーク付きのその
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 571人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花蛸花
| 作成日時：2022年3月31日 8時
