・8 ページ8
｢無理を承知で頼んでいるのは分かっている……しかし、あいつもキミの言う事なら聞くと思うんだ。……この通り。｣
ファレナはAに向けて深々と頭を下げた。一国の王が、弟の許嫁に向けて頭を下げているのだ。
｢ふぁ、ファレナ様……！頭をお上げください……！王が容易く身分の低いものに頭を下げてはなりません……！｣
Aは咄嗟にその場にしゃがみ、ファレナよりも低い姿勢をとる。
｢わ、私は何も、陛下からの頼みを断ろうなどと致しません…！｣
｢ほ、本当か？｣
｢もちろんでございます。私も、陛下にお世話になっている身でございます。本来なら、国に返されてもいいような立場ですのに………｣
｢ありがとうA……！それでは、今度学園に出向こう！ちょうどマジカルシフト大会が近いからな！｣
｢かしこまりました。｣
Aはファレナに頭を下げて自室へと戻る。NRCへの転校となれば、それなりに難しいものだろう。まずは闇の鏡に見定めてもらわなければならないのだから。もしも相応しくないと判断されれば転校は取り下げ。そもそも、女である自分が相応しいと判断されるのだろうか。
ぐるぐると考えをめぐらせるも、なんだか面倒になり考えを放棄した。
｢Aおばたん！｣
｢おや、チェカ様。｣
部屋に帰る道中でチェカが飛び出してくる。手には花冠が握られており、"あげる！"と同じ目線までしゃがんだAの頭にかぶせた。
｢おかーさまがおしえてくれたんだ！｣
｢左様でございますが。私が頂いても良かったんですか？｣
｢うん！おかーさまにはもうあげたから！ねぇねぇ、おばたんはマジフト大会行くの？｣
｢もちろんでございます。チェカ様とファレナ様にご同行致します。｣
｢やったー！おばたんはおじたんのことすき？｣
｢……もちろん。｣
"心の底から。"＿＿＿＿＿＿なんて言えたらどれほど良かったことだろうか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2408人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ななしのヴィランズ - なぜ男子校であるナイトレイブンカレッジに転校できているのですか？ご都合主義じゃないですか (2021年10月15日 15時) (
レス) @page1 id: b2611adeda (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 面白いです！夢主ちゃんきっとお強いんだろうな、、、(まだ読み途中)獅子の狩りは♀がやるらしいですし、、、(笑) (2020年11月18日 16時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花蛸花
| 作成日時：2020年8月28日 1時
