・初めて【15】 ページ30
術師にとって人の死を目の当たりにするのは当たり前だ。死体が残っているだけでそれはもう御の字。しかし、その日起こったそれは、まだ幼い少女には辛いものでしか無かった。
｢………Aさん、報告書は私が書きますよ。休んでいてください。｣
｢んーん………ちゃんとかく、｣
震える声でそういった彼女は、いつものようなハッキリした文字ではなく、ガタついた震えるような文字を報告書に書いた。そんな彼女を見て、伊地知は眉を下げるばかりだ。
初めてだった。彼女の目の前で弾き飛んだ
｢入るよ〜｣
｢五条さん………｣
｢A〜それ、伊地知に任せてパパとちょっとお話しようよ。｣
彼女の居た空き教室に突然入ってきた五条は、彼女の顔を覗き込みそう言った。
｢…………でも、、、｣
｢はい、もう報告書おしまい……って、もうほぼ書き終わってるや……伊地知、これ任せた。二人にして。｣
｢は、はい、！｣
五条から報告書を受け取り、伊地知は急いで空き教室を後にした。五条はAの隣に椅子を持っていきそこに座ると、目隠しをずらした。
｢……A、おいで。｣
優しい声色でそう言うと、Aはゆっくりと動き、五条に抱きついた。彼女を膝に乗せて、向かい合うように抱きしめる。大きくなったな、なんて少し実感しながら。
どんなに大きくなってもまだ中学生。ぐずぐずと泣いてしゃくり上げる彼女の背中を、優しく摩った。
｢わ、……わた、し"……たすけ、…れ、……っ、……た"すかっ、……たのに……、！｣
｢……そうだね、そうかもしれない。………でもね、それは仕方のないことなんだよ。｣
｢なんで……っ、｣
｢……さぁ、……なんでだろう。……パパにも分からないや。｣
ただ言えるのは、術師をやっていれば他人の死なんて当たり前、ということだ。今までは五条や夏油と共に任務に行っていたが、最近は二級になったこともあり単独任務が増えた。
3回、4回、任務を重ねていった彼女だが、とうとう人の死を目の当たりにしてしまった。
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ik13ttm(プロフ) - はじめまして！前髪・医者シリーズ共に全て読ませてもらってます！突然なんですが娘ちゃんが幼稚園生の時の担任の如月先生が好きで…！娘ちゃんが久しぶりに先生に会うお話とか読んでみたいです！ (2021年7月8日 23時) (
レス) id: a5a5b9bef4 (このIDを非表示/違反報告)
Ami - リクエスト大丈夫でしょうか？16歳になった娘と渡と徹が最強と娘3で出てきたいじめっ子と任務先で再会してその場に1級呪霊が3匹くらい現れていじめっ子が襲われて助けて和解する物語が読みたいです！ (2021年7月8日 16時) (レス) id: 240f4dcf86 (このIDを非表示/違反報告)
ネココ - 一年組＋五条でお願いします…失礼しました！ (2021年6月28日 17時) (レス) id: d9dbb0348a (このIDを非表示/違反報告)
ネココ - リクエスト失礼します！一年組とお買い物に行って、伏黒、五条が嫉妬しちゃう姿が見たいです！よろしくお願いします！ (2021年6月28日 17時) (レス) id: d9dbb0348a (このIDを非表示/違反報告)
アメリ(プロフ) - リクエストです！娘ちゃんの幼少期の話をたくさん観たいです！五条が娘にメロメロな所をもっと観たいです！ (2021年6月18日 22時) (レス) id: 617cf85c87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花蛸花
| 作成日時：2021年6月2日 0時
