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「ん、オレンジでよかった?」

「うん……ありがとう。」





自販機前のベンチでペットボトルを差し出すと、それを少し赤い目元に当てた。





「………あいつのこと、いつから好きなの?」

「………わかんない………でも、多分…初めて会ったあの日からだと思う。……ずーっと好きだったんだ……あ、天使だって……思った時から。」

「結構なげーのな。」

「うん。……Aちゃんは、私の天使で、私のヒーローなんだ。初恋で……一番好きな人。Aちゃんが嬉しいと私も嬉しいし、笑顔になれるし……Aちゃんのためになら何でもしてあげたいって思える。」

「………そ。」





渡はそう呟いて、パキパキと音を立てながらサイダーのキャップを開けると、それをごくごくと飲む。喉を流れていく炭酸に、喉が痛くなるのも気にならない。





「………でも、あの笑顔を守るのは私じゃないって、最初から分かってたんだよ。……ずっとね、」

「………なんで?」

「女の勘……?」

「…………」

「……………渡くんは?」

「…………さぁ、……もう、覚えてねーかも。……あいつさ、最初の頃は術式もまともに使えなくて、本家からの当たりがめちゃくちゃ強い時期あってさ……五条さんいない時なんかは俺らが着いてないとすぐ嫌がらせ受けて……それでも、あいつは笑顔だった。

おかしい奴って思ってたけど……なんてゆーか………それを見た時守ってやんなきゃなって思ったんだよなぁ………まぁ、俺が守んなくてもあいつ強いし、もう今後は恵くんの役目だけど。」





そう言って、少し笑いながらまたペットボトルに口をつけた。





「こう考えるとさ……俺、あいつのことめちゃくちゃ好きだったんだよ。………今でも思うよ。告るのが恵くんより俺のが先だったとしたら、俺の事選んでくれてたんじゃないかって……でもそーじゃねーのよな。あいつは恵くんだから選んだんだよ。」

「………私達じゃ、到底勝てないんだよね。」

「そーいう事だな。こりゃあいつには幸せんなってもらわねーと困るわ。」

「……そーだね。」

「……戻るか。あいつら、待ってるし。」

「……うん。」





少し話をしたあと、二人は立ち上がり彼らの待つ教室へと戻った。その時の二人の表情は、先程教室を抜け出してきた時よりもスッキリしたように思えた。

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名無し88832号(プロフ) - 告白して結ばれたからそろそろ完結かな?ってめちゃくちゃ心配してましたが続編まだあるようでとても嬉しいです!!!!番外編も楽しみです(*^^*) (2021年6月12日 2時) (レス) id: d28695a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 遂に告ったぁぁぁー!!!告白の仕方がいい!!好き。 (2021年6月11日 23時) (レス) id: 947326f28f (このIDを非表示/違反報告)
リサっペ(プロフ) - 33は何処へ?!?!?! (2021年6月11日 21時) (レス) id: 8897e851e9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーko(プロフ) - 娘ちゃんと恵くんのデート、ニヤけちゃうwww続きが気になるぅ!!!! (2021年6月11日 8時) (レス) id: 908e4168b8 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - 娘ちゃんと恵のデート回!!待ってました!!!!(嬉泣)陰からこっそりニヤニヤしながら覗かせて頂きます!!!!笑 (2021年6月9日 19時) (レス) id: addf3f5d58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年5月28日 0時

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