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「良かったじゃないですか、おめでとうございます。」

「あ、ありがとう……」




少し照れたように笑いながら先日のことを報告すると、同期の彼らは自分の事のように喜んで祝福してくれた。





「恵くんやっと告白したんだ。」

「遅すぎん?」

「え、うそ!?まじ!?」

「逆に気づいてないの驚きですね。」





そう言って彼らが頷くものだから、本当に自分は今まで気がついて居なかったのかと驚いてしまう。鈍感とはまさに彼女のことを言うのだろう。





「どこが好きなんですか?」

「え……いや………それは………ぁの……」

「ほら、早く。」

「や、やさ、しい……とこ、、、?」




てれてれと可愛らしい効果音が着きそうな笑みを浮かべて言うものだから、全員が同時にため息をついた。





「うちの子世界一じゃん。」

「顔面強っ……」

「天使の名は伊達じゃない………」

「情緒大丈夫?情緒。」

「他には?」





徹はグイグイと二人の関係を掘り下げ、渡はその様子を愉快そうに見ていた。一方の明音は、その様子をどこか寂しげな表情で見つめていた。





「……明音?」

「え、ぁ、なに?」

「……いや、別に。………なぁ、俺ちょっと飲みもん買ってくるわ。」

「あ、私コーラで。」

「私も〜」

「へーへー。明音、お前も着いてこいよ。1人で持つの意外と大変だから。」

「え、う、うん。」





渡は明音を連れて教室を出ると、そのまま何も言わずに自販機へとむかった。





「……ありがとう。」

「ま、徹も徹で鈍感なところあるから仕方ねーって。…あいつのこと好きだったんだ。」

「………うん。」





明音はまた、悲しそうに笑った。





「気持ち悪い、?」

「いや、いいと思う。人を好きになる気持ちはみんな自由だ。男とか女とかそんなもん関係ねーよ。」

「……渡くんは?Aちゃんのこと、好きだったんじゃないの?」

「……なんでお前分かんの?」

「なんとなく。」

「………俺はいーんだよ。あいつへの気持ちはただの憧れのままで。……誰にも言うなよ?この気持ちはこのまま墓場まで持ってくんだから。」

「………いわな、いよ。」

「……今度、二人で飯行く?振られたもん同士、傷の舐め合いでもしよーや。」

「さ、…んせー、」





溢れてくる涙を隠すように拭う明音の頭を、渡は乱暴で、でも優しい手付きで撫でた。

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名無し88832号(プロフ) - 告白して結ばれたからそろそろ完結かな?ってめちゃくちゃ心配してましたが続編まだあるようでとても嬉しいです!!!!番外編も楽しみです(*^^*) (2021年6月12日 2時) (レス) id: d28695a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 遂に告ったぁぁぁー!!!告白の仕方がいい!!好き。 (2021年6月11日 23時) (レス) id: 947326f28f (このIDを非表示/違反報告)
リサっペ(プロフ) - 33は何処へ?!?!?! (2021年6月11日 21時) (レス) id: 8897e851e9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーko(プロフ) - 娘ちゃんと恵くんのデート、ニヤけちゃうwww続きが気になるぅ!!!! (2021年6月11日 8時) (レス) id: 908e4168b8 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - 娘ちゃんと恵のデート回!!待ってました!!!!(嬉泣)陰からこっそりニヤニヤしながら覗かせて頂きます!!!!笑 (2021年6月9日 19時) (レス) id: addf3f5d58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年5月28日 0時

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