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イルカショーが終わり、売店でタオルを買いそれで軽く手足を拭く。お腹が空いたという彼女と、水族館内のレストランへと足を進めた。
平日ということもあってか人はそんなに居ないそこはイルカショーのあった場所のすぐ下。つまり、イルカの水槽の真横なわけで、ショーを終えたイルカたちが悠々と泳いでいた。イルカが一番良く見える席に座れば、彼女はまたキャッキャと喜ぶ。
「今見てたろ、イルカ。」
「それはそれこれはこれ!」
「はいはい。で、何食べるんだ?」
「んー、何食べようかな〜……イルカ見ながら魚はちょっとあれだよね。」
「水族館のレストランって魚料理あるんだな……」
「水槽の中の魚使ってたりして。」
「やめろ、この後どうやって見て回ればいいんだよ。」
ごめんごめんと謝る気のなさそうな謝罪は五条にそっくりだ。本当に似なくていいところばかり似てしまっているのだから困りものである。
「私ハンバーグにしよーかな。恵くんは?」
「俺はパスタにする。」
「じゃあ店員さん呼んじゃお。」
呼び鈴のボタンを押して、彼女はメニューを開きながらその店員にあれと、これと、飲み物は……と注文をしていく。
女の店員なら良かったものの、残念ながら男の店員。頬を赤らめ彼女を見るその店員に舌打ちが出そうになるのをグッとこらえる。
「(鼻の下伸びてんだよ。)」
伏黒はその店員を睨みつけた後、Aの手からメニュー表を奪う。
「え、なに?なんか別のにすんの?」
「いや、違う。お前デザートどれにするか迷ってたろ。」
「あ、うん。」
「どれ。」
「これとこれなんだけど、どっちにしよーかほんとに迷うんだよね〜」
「じゃあ両方頼めばいいだろ。俺とお前で半分にすればいい。」
「え、いいの?恵くん甘いのあんまり食べないじゃん。」
「食えないわけじゃないからな。これとこれ、一つずつお願いします。」
「は、はい、かしこまりました……」
最後まで店員を睨みながらそう言った伏黒はメニュー表を元の位置に戻す。店員が戻ったあと、Aは首を傾げた。
「あの店員さんとなんかあったの?めっちゃ睨んでたけど。」
「いや、別に。」
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名無し88832号(プロフ) - 告白して結ばれたからそろそろ完結かな?ってめちゃくちゃ心配してましたが続編まだあるようでとても嬉しいです!!!!番外編も楽しみです(*^^*) (2021年6月12日 2時) (レス) id: d28695a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 遂に告ったぁぁぁー!!!告白の仕方がいい!!好き。 (2021年6月11日 23時) (レス) id: 947326f28f (このIDを非表示/違反報告)
リサっペ(プロフ) - 33は何処へ?!?!?! (2021年6月11日 21時) (レス) id: 8897e851e9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーko(プロフ) - 娘ちゃんと恵くんのデート、ニヤけちゃうwww続きが気になるぅ!!!! (2021年6月11日 8時) (レス) id: 908e4168b8 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - 娘ちゃんと恵のデート回!!待ってました!!!!(嬉泣)陰からこっそりニヤニヤしながら覗かせて頂きます!!!!笑 (2021年6月9日 19時) (レス) id: addf3f5d58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年5月28日 0時