最強と娘-6【呪術廻戦】

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｢見て見て！めっちゃ綺麗！｣

｢あぁ、そうだな。｣





水槽の中で優雅に泳ぐ魚たちを見ては、Aはキャッキャとはしゃいでいた。そんな彼女を伏黒は一歩後ろから眺めている。見ていて飽きない反応をするものだから可愛くて仕方ない。

五条の言っていた通り、キャッキャとはしゃいでいるのは少し気に食わないが。





｢これなんて魚？｣

｢俺に聞くなよ……そこに説明が書いてあるだろ？｣

｢んー？｣

｢イルカショー見なくていいのか？｣

｢え、見たい！行こ！｣

｢そんなに急がなくてもまだ時間あるぞ。落ち着け。｣





身体ばかり大きくなってまだまだ幼さが残る彼女は、あっちこっちへと伏黒を振り回す。正直一人の方が気が楽だしもう少し落ち着いて欲しいが、彼女相手だとそんなことどうでも良くなる。なんでも許してしまうのだ。





｢おい、こんな前座ったら濡れるだろーが。｣

｢え、だめ？｣

｢………べつに、お前がいいならいい。｣





そう言って前から二番目の席に二人で並んで座る。こうしていると恋人にでも見えるだろうか。そう考えると、少し照れくさい。





｢……？顔赤いよ。大丈夫？｣

｢………大丈夫だ。暑いな、今日。｣

｢今冬だけど。｣





苦しい言い訳をしてしまったが、ちょうどいいタイミングでショーが始まった。Aは帰ったら家入たちにも見せるからと写真や動画をたくさん撮る。

伏黒はそんな彼女の横顔をパシャリと写真に収めた。罪悪感はあるが、こればっかりは致し方ない、と自分の中で納得する。





｢あ……！｣

｢うぉ……！｣





ﾊﾞｼｬｯと水しぶきがかかり少し濡れる。びしょ濡れにならなかっただけまだいいだろう。それでも、手と足はそれなりに濡れていて、二人で顔を見合わせる。





｢……だから言ったろ。｣

｢………んふふ、｣

｢……笑い事じゃねーよ。風邪ひくだろーが……｣

｢いいじゃん、楽しくて！｣

｢……あのなぁ………ふっ………｣





くすくすと笑う彼女につられて、伏黒も口角を上げて笑う。後で売店でタオルを買えばいいか、と伏黒は小さくため息をついた。

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